健康を気にして、脂肪たっぷりの牛乳から低脂肪の牛乳に切り替える必要は?「ない」

私たちはこれまで牛乳の脂肪は心臓の健康にも良くないからと低脂肪乳を飲むように言われてきましたが、新しい研究ではその必要性のないことを示唆しています。

脂肪たっぷり、スキムミルク、無脂肪、低脂肪など、たくさんの選択肢がスーパーの棚に並んでいますが、一体どれを選べば、と悩みますよね。

これまで健康的な心臓を保つためには飽和脂肪を摂(と)ってはいけない、と言われてきました。牛乳には不健康な脂肪がたっぷりだから低脂肪や無脂肪を勧められてきたわけです。

しかしこれまで乳製品による心臓病との関係は証明されていませんし、むしろ最近の研究では脂肪たっぷりの方が健康に良い、という結果まで出てきたのです。

ヨーロピアンジャーナルオブニュートリションに掲載されているものにはこの乳脂肪を辞めるべき正当な理由がない、としています。

また乳製品業界も研究を通し、低脂肪よりも脂肪がそのまま入った乳製品を摂(と)る事を勧めています。それというのも乳製品の飽和脂肪酸が悪いというより、乳製品に含まれるオメガ3脂肪酸が心臓病のリスクを低くする可能性があるためだ、と栄養学士のスタントン医師は言います。

またアメリカンジャーナルに掲載された5000人の人を対象に10年間行われた研究結果でも、肉に含まれる飽和脂肪は冠動脈系の病気を引き起こすリスクはあっても、乳製品の飽和脂肪によるリスク減少が認められた、としています。

まだ研究の余地はあるそうですが、脂肪たっぷりの乳製品の方が無脂肪や低脂肪よりもおいしいのは確か。体重を気にされないなら、普通の脂肪たっぷりの乳製品をとっても良いかもしれません。

参考: Low-fat dairy: do you really need to switch?
http://www.abc.net.au/health/features/stories/2012/10/18/3607861.htm