いざというときに困らない!? 今からできる「将来の不妊回避策」は?
「未婚だから今すぐというわけじゃないけど、いつかは子どもを産みたい」「今は仕事が優先。職場でしっかり実績が出てからじゃないと妊娠は考えられない」などなど。妊娠はまだ遠い先の話と思っている働く女性は多いよう。でも、最近よく聞く不妊の話題は気になりますよね。
いつかそのとき自分が不妊で困らないように、今からできることが何かあれば、知りたいところ。そこで、不妊症など生殖医療に詳しい産婦人科医の船曳美也子先生にどんなことに気をつけたらいいのか聞きました。
―最近、結婚していない女性の中でも、将来の妊娠を不安視する声が挙がっています。
「不妊症は意外に身近で、6組に1組のカップルが不妊で悩んでいると言われています。ですので、産婦人科医の立場からも、ぜひ、結婚する前から考えておいていただきたいと思っています」
―具体的には、どんなところに日ごろから注意すればいいのでしょうか?
「まずは、カラダの異常や病気を放置しないということです。病院で診察を受けたり、婦人科検診を定期的にうけて、異常は早期に発見しましょう。適切な治療をうけて、症状をコントロールすることです」
―カラダの異常や病気の中には、不妊の原因になりそうなものも含まれるから、ということですか?
「そうです。たとえば、『月経不順くらい……』と軽く考えてそのままにしておくと、多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)という病気だったり、また、生理痛を市販薬でごまかしていたら子宮内膜症が原因だったりして、あとで、不妊症になってしまうこともあります。また、クラミジアなどの性感染症(STD)も放っておくと卵管が詰まり、不妊の原因になることがありますので、オリモノが増えるなど少しでも『アヤシイなあ……』と思ったら、できるだけ早く婦人科を受診してください」
―怖いですね……。先生、こうした異常が見つかったら、それは『不妊』ということなのでしょうか……。正直、病院に行き病気が発見されて、真実を知るのは怖いです。
「いえ、異常イコール不妊ということではありません。ケースバイケースですが、適切に対処すれば、多くの場合妊娠は可能です。ですから早期発見して、適切に対処しましょう。それが結果的に、将来妊娠する可能性を残します」
― 一方で生理も快調、カラダの異常を感じたことがない、と健康を自認する女性も多いようです。
「何の症状がなくても、婦人科で定期的なチェックを受けておくにこしたことはありません。毎年、職場検診で内臓の超音波検査をしているから大丈夫、と思われる方もいるかもしれません。でも、内科で肝臓や腎臓を診るついでにお腹の上からみる腹部超音波検査では、婦人科での経腟超音波検査のように子宮と卵巣をしっかりと診ることはできません。
―婦人科的な検査ですが、自治体や職場健診で奨励されている、子宮頸がんや乳がんの検査で十分ですか?