「職場検診や自治体検診などで、子宮がんや乳がんの検査を定期的に受けている方も多いと思いますが、『将来の不妊に備える』ということでは、それだけでは十分ではありません。『ブライダルチェック』などという名前で、検査のセットをつくっているクリニックもありますので、相談されるとよいでしょう」
―30代の読者も多いですが、30代の妊娠についてはどのように思われますか?
「婦人科的な異常が何もなかったとしても、何と言っても不妊症が増えている最大の理由は、晩婚化です。女性は35才を過ぎると急激に妊娠力が低下していきます。また、たとえ妊娠しても、年齢が高くなると出産時のリスクも高くなります。
医学的な観点からすれば、早く妊娠したほうがよいと言えます。ですがこればかりは相手もあることですから、思いどおりにいきません。また、キャリア形成との関係など人生設計にかかわることですから、簡単ではないことは理解できます。
普段から基礎体温をつけるなどして、自分のカラダをよく知って、将来の妊娠、出産に備えるようにしておくとよいでしょう」
病気を早めに見つけて、きっちり対処。そして、どうしても子どもを産みたい場合は、妊娠のタイミングをなるべく早めに考えようということですね。みなさんも、日ごろから、自分のカラダと向き合う習慣をつけてみてくださいね。(聞き手:小池直穂)
船曳美也子
1983年 神戸大学文学部心理学科卒業、1991年 兵庫医科大学卒業。産婦人科専門医、認定産業医。肥満医学会会員。医療法人オーク会勤務。不妊治療を中心に現場で多くの女性の悩みに耳を傾け、肥満による不妊と出産のリスク回避のために考案したオーク式ダイエットは一般的なダイエット法としても人気を高める。自らも2度目の結婚で43歳で妊娠、出産という経験を持つ。2013年10月9日、「婚活」「妊活」など女性の人生の描き方を提案する著書「女性の人生ゲームで勝つ方法」(主婦の友社)を上梓。
現在は、オーク梅田レディースクリニックを中心に診療にあたっている。
医療法人オーク会HP http://www.oakclinic-group.com/