食事は体をつくる原料だから吟味して食べよう

 若々しさを保って健康的にアンチエイジングを実践する上で、食事は大切です。私たちが口にする食べ物は、体の中で吸収されて細胞のエネルギーになったり、骨、筋肉、脂肪、皮膚、髪などをつくります。つまり食事は私たちの体をつくる原料なのです。体が若さを保つために必要な10の栄養素を食べ方とともに紹介します。

1.脂肪の少ないたんぱく質(油が少ない肉魚、大豆製品、アボカドなど)
2.血糖値の上昇がゆるやかな低GIの糖質(玄米、ライ麦パン、きび砂糖など)
3.エネルギー源になる脂質(オリーブオイル、魚の油など)
4.体のキレイと元気を保つ食物繊維(果物、野菜、穀物、カニ・エビ)
5.体のサビを落とすビタミンC(果物、野菜)
6.美肌と細胞を再生するビタミンA(動物の肝臓、緑黄色野菜など)
7.エネルギー代謝を活発にするビタミンB群(ウナギ、卵、納豆、バナナなど)
8.血管をキレイにする脂溶性のビタミンE(アーモンド、玄米、イクラなど)
9.野菜が持つ戦う力~フィトケミカル(大豆、トマト、ブロッコリー、緑茶など)
10.ミネラルと食物繊維豊富な海藻

□1.脂肪の少ないタンパク質

 タンパク質は筋肉、骨、ホルモンなど体全体を形づくる素材として欠かせないものです。注意したいのは、肉でタンパク質を摂ろうとすると余分な脂肪も食べてしまい、カロリーオーバーになること。

 そこで肉の脂身や霜降りなどはあまり食べないようにして、牛や豚のヒレ肉、鶏肉、羊肉、馬肉など油が少ない肉、魚、納豆や豆腐などの大豆製品、アボガドなどを積極的に摂るようにすると、カロリーがぐんと抑えられます。

□2.血糖値の上昇がゆるやかな低GIの糖質

 食べてすぐに糖が分解すると血中の糖が急に増え、それを処理するためにインスリンが大量に必要になるため、インスリンをつくる膵臓に大きな負担になります。糖の分解がゆっくりで急激にインスリンを分泌させない「低GI食品」を摂れば、膵臓を労わって糖尿病や肥満を予防し、いつまでも若々しさを保つのに役立ちます。

 米よりも玄米や麦ご飯、白いパンよりライ麦パンや胚芽パン、白い砂糖よりきび砂糖や黒砂糖など、精製した白いものよりも、皮や胚、殻つきのものを選ぶことです。

□3.エネルギー源になる脂質

 脂質は体のエネルギー源になったり、ホルモンを作ったりする大切な栄養素ですが、増えすぎると内臓脂肪を増やして、肥満やメタボの原因になり、体を老化させます。

 悪玉コレステロールを減らす働きを持つオリーブオイルや紅花油を摂るようにしましょう。また魚の油は常温でも固まらず液体の状態なので、牛肉や豚肉よりも血管の詰まりや汚れを起こしにくく、逆にキレイにする効果も。焼き魚ではなく、煮つけや煮こごりなどにして、油をしっかり食べるようにしましょう。

□4.体のキレイと元気を保つ食物繊維

 食物繊維は胃や小腸で吸収されずに大腸に届き、食事のかさを増やして満腹感を与えてくれるすぐれたダイエット栄養素。また腸内を通過する際に小腸では免疫力を活性させたり、余分に食べ過ぎた脂肪を吸収しないように働きます。さらに大腸では腸内細菌のエサになったり、腸の汚れを落としてくれたり、便の量を増やして便秘を解消します。

 果物や野菜に含まれるペクチン、海藻に含まれるフコイダン、こんにゃくに含まれるグルコマンナンなどのゲル状の「水溶性食物繊維」と、野菜や穀物に含まれるセルロース、キノコに含まれるグルカン、カニ・エビに含まれるキチン・キトサンなど繊維状の「不溶性食物繊維」があります。どちらもバランスよく食事に摂り入れましょう。

□5.体のサビを取るビタミンC

 ビタミンCは肌では紫外線ダメージで発生したしみのもとになるメラニンの生成を抑えてくれますが、肌以外でも体のサビ(酸化)を減らしてくれるすぐれた抗酸化力を持っています。

 イチゴ、キウイフルーツ、みかんなどの果物やキャベツ、パセリ、小松菜などの野菜に多く含まれますが、熱に弱いので生で食べるようにしましょう。また一度にたくさん摂っても水溶性のビタミンCはすぐに排出されてしまうので、こまめに摂ることを心がけましょう。

□6.美肌と細胞の再生に必要なビタミンA

 ビタミンAは皮膚の代謝を高めて美肌力を高めたり、粘膜を保護する力を高め、内臓や口の中、目の健康にも欠かせない栄養素です。動物性の食品に含まれているのがビタミンAで、植物性ではβカロチンという成分が含まれており、これが体内でビタミンAに変換されます。