信仰の心構え
画像の箇所は、『伊都内親王願文』の中で、伊都内親王(平子)自身の信仰の心構えや徳行、そして仏の慈悲への期待について語られている場面です。
以下に**釈文(文字の書き起こし)**、**書き下し文**、および詳細な現代語訳(意味)をまとめました。
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### 釈文(文字の書き起こし)
**【右ページ】**
1. **陸列慙八禅平子即**
2. **身百神斯御萬福**
3. **毎慊大椿保年碧**
4. **石千榮又世子以常**
**【左ページ】**
5. **成才具四辯速成**
6. **六藝門闊塩和表裏**
7. **康睦遂乃體謝塵**
8. **端昇物表慈舟**
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### 書き下し文
> **【右ページ】**
> 陸列(りくれつ)八禅(はちぜん)に慙(はじ)のたまひ、平子(へいし)即身(そくしん)百神(ひゃくしん)斯(ここ)に御(おさ)め、万福(まんぷく)毎(つね)に大椿(だいちん)の年(とし)を保ち、碧石(へきせき)千栄(せんえい)なり。又、世子(せいし)常(つね)を以(もっ)て……
> **【左ページ】**
> 才(さい)を成(な)し四弁(しべん)を具(ぐ)し、速(すみや)かに六芸(ろくげい)を成(な)し、門(もん)は闊(ひろ)く塩和(えんわ)表裏(ひょうり)康睦(こうぼく)なり。遂(ついに)乃(すなわ)ち体(たい)は塵端(じんたん)を謝(しゃ)し、物表(ぶっぴょう)に昇(のぼ)りて慈舟(じしゅう)……
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### 詳細な現代語訳(意味)
* **【右ページ:身に余る福徳と長寿の祈り】**
高僧たちの修める高い瞑想の境界(八禅)に照らせば、私(平子内親王)の修業はまだまだ恥ずかしい限りです。しかし、多くの神々のお守りによってあらゆる幸福を賜り、大椿(大昔の長寿の巨木)のごとく幾千年も変わらぬ寿命と、青々とした宝石のような栄えを保たせていただいております。また、世を継ぐ者として常に……
* **【左ページ:才能の成就と俗世を超越する心】**
優れた才能を開花させ、仏教の豊かな弁舌(四無礙弁)と諸々の教養(六芸)をすみやかに修めました。その心門は広く開かれ、表も裏も調和して深く穏やかです。やがてこの肉体も俗世の汚れ(塵)を離れ、世俗を超越した高みに登って、慈悲の船(仏の救い)に乗るのです……
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### 💡 この箇所の見どころ(書法と表現)
* **言葉の対比と比喩:**
長寿の象徴である「大椿」や「碧石」、優れた能力を表す「四辯」「六藝」、仏の慈悲を船に例えた「慈舟」など、豊かな比喩表現がちりばめられています。
* **筆致(文字の勢い):**
左ページ最後にある「**慈舟**」などに見られるように、躍動感にあふれる行草書の連綿と、引き締まった起筆・終筆の変化が際立つ美しい場面です。