カタツムリなど珍しがって喜ぶ仏人、だいたい日本酒の半値であるワインを貴重にして飲み続ける仏人、これを礼賛して自己の名誉のごとく感ずる色眼鏡党、日本人の贔屓客。いつになったら自分の識見で物を見、自分の舌で味を知ることができるのか。嗚呼。

出典 『フランス料理について』