がん治療に新たな一手、ヘルペスウイルス
あさイチで話題!がんに効果のあるウィルス治療が医療の常識を変える?まとめ
あさイチで放送されたヘルペスウイルスを使ってがんの治癒!悪性腫瘍に効果のあるウィルス治療が壮絶に凄いらしいのでまとめてみる!がんを治療する革新的な医療が数年後実現する?
ぽにょさんです さん
口唇ヘルペスを引き起こす原因であるヘルペスウイルスが、がん治療に役立つかも知れないのだそうです。
これは、ロンドンの病院で頭頸部がんの患者17名に対して化学療法や放射線療法と平行して用いられた結果で、用いられたのは遺伝子操作を行ったヘルペスウイルスだったそうです。
ウイルス療法は、ガン細胞だけに有害な無毒化したウイルスを、薬として使う治療方法だ(下図参照)。患部に注射か点滴でウイルスを送り込んで、ガン細胞の死滅を狙う。たまに報道で紹介されているが、中でも2007年にテレビ朝日「たけしの本当は怖い家庭の医学(スペシャル)」で紹介された、テロメライシンという薬が有名であるとは思う。その期待の新薬は、今、どうなっているのであろうか?
癌は我が国の死因の第一位を占め、医療技術の進歩に抗して患者数が増加し続けている。特に悪性神経膠腫(脳腫瘍)の治療成績はこの40年来ほとんど向上が見られず、新しい治療法の出現が待望される。そのような中、遺伝子組換えウイルスを癌治療に応用する「ウイルス療法」の開発研究が注目されている。単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)は癌治療に適した特徴を有し、研究代表者らはその開発研究で世界の先端を担ってきた。
ウイルス療法とは、がん治療用に開発したウイルスをがん細胞に感染させ、そのウイルスががんの中で増えながら直接がん細胞を破壊するという新しい概念の治療法である。特に、がん治療に有利な特長を多く備える単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を用いると、安全性、汎用性、実用性を全て満たしたがん治療用ウイルスを作製することができる。藤堂教授が開発したG47Δは、世界初の第三世代遺伝子組換えHSV-1で、遺伝子工学的なウイルスゲノムの三重変異によって、高い安全性と強力な抗がん作用を実現した。G47Δは特に、がん細胞においてウイルスが増える能力と抗がん免疫を引き起こす力が増強されており、世界で現存する遺伝子組換えHSV-1の中で最も治療域が広く実用性の高いがん治療用ウイルスである。現在、G47Δを用いて、再発膠芽腫(脳腫瘍)患者を対象に、我が国初の遺伝子組換えHSV-1の臨床研究が展開中である。藤堂教授は更に、G47Δの基本骨格に容易かつ的確に外来遺伝子を組み込むことができる遺伝子組換えHSV-1作製システムを利用し、創薬的手法で機能付加型HSV-1を作製できる革新的技術を開発した。本サブテーマは、遺伝子組換えHSV-1を用いたウイルス療法が近い将来がんの標準医療として確立することを視野に入れ、特に死亡率増加の要因となっている未解決がん・難治性がんへの第三世代HSV-1の適応拡大とがんの多様性に対応できる次世代の機能付加型HSV-1の開発を行う。
ウイルス療法ががん標準治療になる時代が来る
出典 日経メディカルオンライン
ウイルス療法ががん標準治療になる時代が来る!藤堂具紀氏東京大学医科学研究所・先端医療研究センター先端がん治療分野(脳腫瘍外科)教授
口唇に皮疹を作る単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を遺伝子操作して3種類の遺伝子を欠失もしくは不活化させて作ったがん治療用ウイルス。細胞の自滅を防ぐ遺伝子「γ34.5」を欠失させ、DNA合成に必要な遺伝子「ICP6」を不活化することにより、ウイルスががん細胞でのみ増殖し、がん細胞を破壊する。これら2つの遺伝子を操作したウイルス「G207」は米国で臨床試験が行われた。藤堂氏は「G207」では効果が不十分と判断し、さらに感染細胞が免疫システムから逃れるために必要な遺伝子「α47」を欠失させ、「G47Δ」を作成した。「G207」は正常細胞に感染しても細胞に影響を与えないが、がん細胞に感染するとそれを破壊する。「G47Δ」に感染したがん細胞はさらに、宿主の免疫機構からの攻撃にさらされることになり、抗腫瘍作用が増強されている。
ウイルスは化学療法や放射線療法と組み合わせることも可能です。組み合わせを考えると、ウイルス療法という選択肢が1つ加わることによってがん治療の方法が飛躍的に増えます。治療選択肢が増えることは非常に重要です。
がん細胞は正常細胞に比べて活発に増殖し、DNA合成もさかんです。ウイルス療法はそこを攻撃します。さらに私たちの「G47Δ」は、感染したがん細胞が患者の免疫監視機構にも見つけられやすくする働きを加えてあります。がん細胞に特異的に働き、しかも特定の遺伝子経路の活性化に依存しないことから、多くの種類の固形がんに有用だと思います。現在の「G47Δ」は白血病のような造血系の細胞には感染しにくい傾向がありますが、将来は様々な感染域を持ったウイルスが用意され、がんの種類や進展に応じてウイルスを選ぶという時代も来ると確信しています
続々と考案されるがん治療の新しいアイデア。しかし、それらの少なからずが、臨床に到達することなく、姿を消していく。基礎研究者の閃きが多くのがん患者を救うためには、何が足りないのか。遺伝子操作したヘルペスウイルスを使ってがんの治癒に挑んで孤軍奮闘する脳外科医の声!あさイチでも放送され話題に!
ウイルス治療 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 移動: 案内、 検索 この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力...
がんの「ウイルス療法」が注目です。ウイルスのヒトの細胞に侵入する性質を逆手にとって、遺伝子を改変した「人工ウイルス」をがん細胞に侵入させてがん細胞を内から殺す。そこが「ウイルス療法」のカギです。
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