29日の東南アジア株式市場では、大半の株価が上昇した。今週発表される企業決算の利益に対する楽観的な見方が背景にあるが、ウクライナ情勢をめぐる緊張が上値を抑制した。
ホーチミン市場では取引終盤に買いが強まり、VN指数<.VNI>は0.85%高の578.00で終了した。
マニラ市場は5営業日ぶりに反発、主要株価指数PSEi<.PSI>は0.49%高の6636.45で引けた。このところの下落に対する安値拾いの買いが入ったほか、第1四半期の企業収益が健全な内容であることも支援要因となった。
カジノ運営大手のブルームベリー・リゾーツ<BLOOM.PS>が2.9%上昇し、約7カ月ぶりの高値を付けた。第1四半期の好業績が好感された。
バンコク市場のSET指数<.SETI>は0.08%高の1412.33、ジャカルタ市場の総合株価指数<.JKSE>は0.02%高の4819.68、クアラルンプール市場の総合株価指数<.KLSE>は0.19%高の1859.34。
一方、シンガポール市場は下落。ストレーツ・タイムズ指数(STI)<.FTSTI>は0.15%安の3237.74で取引を終えた。
中国株式市場は、5日ぶりに反発した。中国平安保険<601318.SS>の好決算が相場を支援した。
上海総合指数<.SSEC>は16.854ポイント(0.84%)高の2020.341、大型株中心で深セン上場銘柄を含む滬深300指数<.CSI300>は23.501ポイント(1.10%)高の2158.470で終了した。
平安保険は2.6%上昇。同社の第1・四半期決算は46%の増益となった。
大同煤業<601001.SS>も10%上昇し、9カ月ぶりの上げ幅を記録した。同社の第1・四半期決算は、利益が10億4000万元(1億6632万ドル)となった。
一方、不動産株は軟調となり、CSI不動産株価指数<.CSICMREI>は0.9%下落した。
香港市場は大幅反発。午後に入り中国株が上昇すると香港市場も終盤にかけ上昇した。中国連合通信(チャイナ・ユニコム)<0762.HK>など通信株が堅調だった。
ハンセン指数<.HSI>は321.36ポイント(1.45%)高の2万2453.89で引けた。同指数は引けまでの1時間で1.2%超上昇した。
ハンセン中国企業株指数(H株指数)<.HSCE>終値は112.84ポイント(1.15%)高の9882.94。
中国移動(チャイナ・モバイル)<0941.HK>は4.6%、チャイナ・ユニコムは6.4%、それぞれ上昇した。
好決算を受け中国市場で2.6%上昇した平安保険<2318.HK>は1.7%高にとどまった。投資家は同社の信託ファンドへのエクスポージャーを警戒している。
28日の米国株式市場は、一部ハイテク関連株に売りが出たものの、アップル<AAPL.O>とファイザー<PFE.N>が買われたことで相殺され、おおむね上昇して終了した。
オンライン小売のアマゾン・ドットコム<AMZN.O>がこの日も売られたことで、主要3指数のうちナスダック総合は一時前営業日終値比1%と大きく下落。終盤にかけ下げ幅を縮小したものの、小幅安でこの日の取引を終えた。
ダウ工業株30種<.DJI>終値は87.28ドル(0.53%)高の1万6448.74ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は1.16ポイント(0.03%)安の4074.40。
S&P総合500種<.SPX>は6.03ポイント(0.32%)高の1869.43。
アップルは3.9%高の594.09ドルで取引を終えた。アップルは前週23日の取引終了後に好調な四半期決算を発表。23日からの上昇率は13.2%になる。
ファイザーは4.2%高の32.04ドルで終了。同社はこの日、英医薬品大手のアストラゼネカ<AZN.L>に対し買収を再度提案したことを確認。ファイザーは1月にも買収に向けてアストラゼネカに接触していた。
ジョーンズ・トレーディングの首席市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は、製薬・ヘルスケア産業で見られる企業の合併・買収(M&A)の動きが当面は投資家心理にプラスに作用しているとしている。
このほか、米特殊医薬品会社のフォレスト・ラボラトリーズ<FRX.N>が同業のフリエックス・ファーマシューティカルズ<FURX.O>を最大14億6000万ドルで買収すると発表。フォレストはフリエックス株主に対し、1株当たり約95ドルを現金で支払うほか、実績に基づき1株当たり最大30ドル支払う。
フリエックスは28.6%高の103.05ドルで終了。一方、フォレスト・ラボラトリーズは0.4%安の89.50ドルで取引を終えた。
このところ買いを集めていたハイテク・バイオ関連株が売られるなか、アマゾンは2.4%安、フェイスブック<FB.O>は2.7%安で終了した。
バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>は6.3%安。同行が資本比率の算出に使用したデータが不正確だったことから、四半期配当の引き上げ、および自社株買戻し計画を棚上げすることを明らかにしたことで売られた。
中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)<BIDU.O>は7.4%安。 中国政府が「ビッグバン・セオリー」を含む4つの米テレビ番組をビデオサイトから削除する命令を出したことを受け、売りが出た。
BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の出来高は約74億株と、月初来平均の65億株を上回った。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値 16448.74(+87.28)
前営業日終値 16361.46(‐140.19)
ナスダック総合<.IXIC>
終値 4074.40(‐ 1.16)
前営業日終値 4075.56(‐72.78)
S&P総合500種<.SPX>
終値 1869.43(+6.03)
前営業日終値 1863.40(‐15.21)
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