【闘将】ドゥンガの勝ち残るチームを作る方法【鬼軍曹】

PROFESSIONAL勝者の条件―勝ち残る者と敗れ去る者の違いとは・ドゥンガ(著)より

ZZ92 さん

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「サッカーだけではなく、あらゆるチームスポーツのチームプレーでは、各々の選手の役割が決められているものだ。同時にチームメイトと力を合わせる必要もある。一人ひとりが義務を果たしながら、チームメイトをサポートし合うのがチームプレーなのだ。自分のエゴのために勝手なことをして仲間に迷惑をかけるようでは、プロフェッショナルではない」

「ゴールを決めた選手だけが素晴らしかったために試合に勝ったわけではない。ラストパスを送った選手、ボールを奪った選手など、ゴールをあげるまでの過程には多くの選手が絡んでいるのだ。 つまり一人で勝ったなどという試合はあり得ないということだ。チーム全員が勝利者なのだ。個人のエゴなど邪魔でしかない。権利とエゴを勘違いするのは論外だ。一人ひとりがエゴを権利だと主張しだしたら、チームはバラバラになってしまうだけだ」

「確かに助け合いの精神は大切なことだとは思うが、その前に自分の義務を果たすことが先決だ。出発点は、自分を知り、自分ができることを周りの人たちに与えることである。だからこそ自分も助けてもらえるのだし、チーム全体として成果を上げていけるのだ。 一人ひとりがやるべきことをやってこそチームは機能する。エゴに固執しても得ることは何もない。責任を果たしてチームに貢献するべきなのだ」

「私がプロフェッショナルと認める選手とは、普段から意欲を持ってサッカーに取り組み、しかも楽しんでプレーをしている選手のことだ。また、チームが困難な状況にあれば仲間と話し合いを持つなどして、チームを引っ張っていける選手だ」

「どれだけ凄い人間が集まった組織でも、個人個人が違ったことを考えていては、一つのチームになることはできない。 チームが組織として成果を挙げるために一番大切なことは、どんな集団であっても共通の目的を持っていなければいけないということだ」

「どんなに素晴らしい選手を11人揃えていても、考えや目的がバラバラだったらチームとしてまとまりがなく、勝つことは難しい。逆にチームとしての方向性や目的が共通していれば、たとえ相手より力が劣っていても、勝つことができるのだ」

「組織とは、ただの人間の集団ではない。機能してこそ組織と言えるだろう」

「組織が組織として機能するには、チームのコンセプトや方法論を明確にする必要がある。それらがあいまいだと、個人の解釈によって、違った認識が生じてしまうからだ。こうなったら組織は機能しない。明確だからこそ意味があるのだ。 コンセプトや方法論が明確になったら、後は意識を統一して、忠実に実行されるよう徹底できるかどうかだ。この際には、理論より実行力がカギになる。理論で分かっていても実際にできないことは少なくない」

「方法論を確実に実行して目的を達成するためには、チーム内における権利と義務を明確にすることだろう。 どこの組織にもリーダーというものが存在する。例えばサッカーだったら監督というものが存在する。監督は選手に対して、「あなたには、こういう義務と権利があります」ということを明確にする必要がある。 そのなかで、選手側に何か疑問があれば、あるいは理解できないことがあれば、監督かリーダーに聞いて理解すればいい。質問することも権利の一つだ。自分が果たすべき義務は何で、そのためにどのような権利を要求できるのか。また、権利はどの範囲まで及ぶのか。これらを確認できれば、目的と方法論がより具体的なものとなる。チーム内で意識にズレが生じることもない。すべてが固まれば、後は実行するだけだ」

「みんなが違った考え方、違った見方を持っている。だから、一つの過ち、一つのミスに対して、個人個人が「自分はこういうふうに解決するべきじゃないか」という考えを出すべきだろう。 それがチームの最終的な意見となり、解決策になる。黙っていたら何も解決できない。チーム内で起きた問題を部外者が解決してくれることはない。自分のチームのなかで起こった問題は、自分たちで解決しなければならないのだ」

「成功体験は勝者としてのメンタリティをもたらす。勝利の味を覚えた者は、勝つことの喜びを覚え、勝つために努力するようになるのだ。勝つことへの執念も強くなる。それがチーム全体に良い刺激を与え、チーム内の競争も激しくなる。結果的に全体のレベルアップにつながる」

「強いグループを作るためには、カリスマ性を持ったリーダーが必要だ。強い個性を持っていて、確固たる方針のもとにチームを1つにまとめられるリーダーがいるグループは、多少の時間差はあったとしても、必ず成果を挙げられるものだと私は考えている」

「グループで成果を残すには、個人個人が果たすべき義務を守らなければならない。そして、義務に基づく権限を尊重していかなければならない。しかし、それらがどこかでオーバーラップしている必要もあるのだ。 つまり、お前は俺に干渉するな、俺もお前には干渉しないという姿勢では、お互いに隙間ができてしまう。だから、そこには絶対にオーバーラップしている部分がなければならないのだ。そのオーバーラップする部分というのが、お互いに助け合う部分なのだ。チームとして成果を残すには、そうした要素が必要だ」

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