ブラック企業の割合はどのくらいなの?日本の企業の実態

日本において、ブラック企業の割合はどのくらいなのかを考えたことはあるでしょうか。じつは、厚生労働省が調査をしているのをご存じですか。どんな調査なのか、ブラック企業の定義などを詳しく解説します。

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ブラック企業の割合と法令違反の件数

・ブラック企業の割合
ブラック企業の割合は、労働基準監督年報の定期的な立入検査数と違反件数で算出できます。

最新版である令和2年の報告では、全体の約70%が何らかの法に抵触していることがわかりました。

・ブラック企業の法令違反の件数
同じく労働基準監督年報から法令違反の件数を見ると全体で80,335件で、項目ごとにみると詳細な違法内容がわかります。

厚生労働省では、このたび、平成29年度に、長時間労働が疑われる25,676事業場に対して実施した、労働基準監督署による監督指導の結果を取りまとめましたので、公表します。

ブラック企業の定義

厚生労働省はブラック企業について定義していないものの、特徴を以下のようにまとめています。

1.労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
労働時間は1週間で40時間、1日で8時間を超えてはならないとされています。

2.賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
労働の対価である賃金を支払ってくれないことや、言動での嫌がらせが常態化している状況です。

3.このような状況下で労働者に対し過度の選別を行うなど
労働者に不本意な転勤をさせたり、自主退職に追い込んだりする行為のことです。

ブラック企業に一番多い法令違反

1位:安全基準
安全基準とは、働く環境における安全性と快適性を保つことです。
機械を正しく利用しているか、薬品の管理は的確にされているか、危険物や有害物等の基準を守っているか、などが確認事項となります。

2位:健康診断
企業では健康診断が義務付けられており、正しく受診していない人が多いことが分かります。
健康診断を受けなかった理由が、個人的に受けに行っていないのか、企業が受けさせる体制を整えていないのか、など状況によって課題は変わってくるでしょう。

3位:労働時間に関するもの
長時間労働は社会的にも注目されており、精神的、身体的に病んでしまう事案につながりやすいです。
ブラック企業と聞いて、安全基準や健康診断よりもイメージしやすい違反事項かもしれません。

4位:割増賃金(時間外、休日及び深夜)
残業をしていても残業代が支払われない、土日に働いても手当てが出ない、といった指摘の事例になります。

5位:労働条件の明示
社員として働く人よりもフリーランスや業務委託を受ける人に多い事象かもしれません。

ブラック企業の特徴と見極める方法

1.非公開求人に注目
非公開求人を出す企業は、スコープを絞って優秀な人材を採用したいと考えています。一方、公開求人とは誰でも応募できる求人のことです。公開求人を出している企業の中には、退職者が多いため、とにかくたくさんの方に応募してもらいたい、と考えている企業が含まれています。一般的に公募しているため、応募者が多く採用スピードを上げることができます。

2.求人情報上の文言に注目
応募条件のハードルが低い求人情報には注意が必要です。年齢は問わない、学歴不問、資格不要、未経験者歓迎、など採用条件のハードルが低い企業には注意が必要です。優秀な人を採用するよりも、労働力として人を採用することを目的にしている場合があります。

3.離職率に注目
離職率が高い企業はブラック企業である可能性が高いです。転職をするのであれば、面接の際にはっきりと聞くようにしましょう。面接官が濁した表現で反応した場合は、ブラック企業の可能性があると見極めることができます。

日本のブラック企業割合やブラック企業で多い違反事例、ブラック企業の見分け方を解説してきました。自分の会社がブラック企業だと感じたら、自分を守れる行動を起こしましょう。

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