愛犬が手足を痒がる、舐める!原因と対処法
犬を飼っている皆様、愛犬のことを見ていると「手足を舐めている」ことはありませんか?
ただの毛づくろいであれば心配はいりませんが、見るたびに舐めていたり、手足が変色するほど舐めていたり。
「舐める・噛む」にはさまざまな原因が考えられますが、実は重大な疾患につながることもあるのです。
今回はその原因や可能性のある病気、対応についてご紹介したいと思います。
■「手足を舐めている」のはどんな様子?
愛犬がお部屋でリラックスしているとき、手足を前に伸ばしてペロペロと一生懸命に舐めている様子はありませんか?
舐めているその瞬間を確認できない場合は、愛犬の手足をよく見てみてください。
普段から舐めている子の場合、赤茶色っぽく変色しているはずです。毛の色が濃い子の場合でも肉球の間の毛色が変色しているのがわかるはずです。
もし、舐めていることがわかった場合には、その原因を探り、舐めてしまわないよう対策をしていきましょう。
■なぜ手足を舐めてしまうのか、考えられる理由
犬が手足を舐めることには、
「肉体的」と「精神的」
の両側による原因がそれぞれ考えられます。
常に痒がっていて舐めている場合には肉体的な原因が考えられます。
ある特定の条件で痒がったり舐めている場合には精神的なものによる原因が考えられます。
この場合は癖になってしまう可能性も高いので、できるだけ早いタイミングで原因を見つけ、エスカレートしないよう気を付けていく必要があります。
考えられる理由:その1
アレルギーや皮膚炎
こちらは肉体的な原因となります。何かしらのアレルギーを発症すると、皮膚にかゆみがでます。手足の先だけでなく首元や目元など体中を痒がっていて、舐めている場合にはアレルギーの可能性が高いでしょう。
あまりにもかゆみが強い場合には、舐めるだけでなく噛んでしまったり毛をむしってしまう場合もあります。
傷口になってしまったら細菌感染してしまうリスクもあります。
もしもかゆみが急激に増えているように感じたら、下記の事項をチェックしてみましょう。
・ごはんを変えていないか
・シャンプーを変えていないか
・ベッドやお部屋は清潔な状態か
また、手足を見た時に指の間や裏から見た時の肉球と肉球の間が赤くなっていないか確認してみましょう。
もし赤い場合には、指間炎の可能性があります。
これは皮膚病や傷が炎症を起こしている状態になりますので、違和感を感じて舐めたり噛んだりしている状況です。
舐めてしまうと炎症が治りにくくなりますので、包帯やガーゼで巻いたりカラーをつけたりすることで、患部に触れないよう対策をとってあげましょう。
またノミやダニがいないかもチェックしてみてください。
考えられる理由:その2
痛みによるもの
こちらも肉体的な原因ですが、肉球に何かが刺さっている、傷や怪我はある、爪が割れている等痛みを感じている可能性があります。
指の間や足の裏をずっと舐めている場合や爪の付け根を舐めている場合は軽く触って痛がる様子はないかチェックしてみましょう。
また怪我などの外相ではなく骨折や関節痛などの可能性もあります。
このような場合には走ったり歩く場合にも痛がる様子や不安定な様子がでていることがあるので
普段の動きを観察してみてください。
まずは優しく手足を触ってチェックしてみましょう。どこが反応がある箇所がわかったら病院へ受診し、状況を伝えましょう。
考えられる理由その3
頚椎損傷やヘルニアの心配
こちらも肉体的な原因の一つです。後ろ足を頻繁に舐めている場合に要注意です。
首の部分の骨である頸椎を損傷するとしびれなどから違和感を感じます。この違和感により足先を舐める犬がいるようです。
また椎間板ヘルニアの回復期に足を舐め、この場合は神経伝達に問題があり、後ろ足をなめるようです。
意識が足に集中してしまうと舐めるのが止まらなくなる可能性があります。できるだけ意識が足以外に向くようにおやつをあげたり、オモチャをあげたりと工夫してみましょう。
考えられる理由その4
不安な気持ちを落ち着かせるため
こちらは精神的な原因になります。分離不安(詳しい記事はこちら)のように飼い主さんに依存している犬によく見られますが
短い時間の留守番の場合でも飼い主さんと離れることが不安な犬は
その気持ちを落ち着かせるために手足を舐める場合があります。
分離不安の記事でも触れていますが、分離不安は飼い主さんの構いすぎが原因となります。愛犬が可愛くてたまらない気持ちは仕方のないことですが
構いすぎることにより、飼い主さんに依存し、お留守番が苦手になったり自立心が育たなくなったりと結果として愛犬のストレスを増やしてしまう原因となる可能性があります。
手足を舐めるだけでなく、噛んだり、破壊行動やトイレの失敗など問題行動へとつながることもあります。
分離不安は接し方を変えていくことで改善することができるので、分離不安が原因の場合には飼い主さんの行動を変えていくことを心がけてみてください。
考えられる理由その5
ストレスによるもの
お散歩不足や飼い主さんとの時間不足などストレスが溜まっている犬に手足を舐める傾向が見られます。
「お散歩をしばらくさぼっているな」「おもちゃ遊びしてあげていないな」など構っていない時間が思い当たる場合は、しっかりと時間をとって
愛犬との時間を作ってあげてください。
さてここからは
愛犬が手足を舐めている場合に考えられる主な病気
についてご紹介します。
・指間炎
先ほどもご紹介しました。
外傷やストレスなどが原因となり肉球の間に痛みやかゆみが現れます。この場合患部は赤く腫れています。
気にして噛んだり舐めたりすると細菌が繁殖して化膿し、悪化する恐れがあるので動物動物病院で相談しましょう。
・捻挫
関節の靭帯や腱、軟骨などが飛び降りや転倒など予期せぬ動きにより傷ついている場合です。
・関節炎
関節の軟骨が炎症により痛みが生じ、重症化すると歩行障害がおきます。
この場合は普段から足を引きずるように歩いたりと行動で気づける部分が大きいようです。肥満は症状を悪化させるので普段からの体調管理に気を付けましょう。
・椎間板ヘルニア
脊髄が圧迫されることにより、首や腰に痛みがでます。手足のしびれや麻痺などもおこる病気です。足がもつれたり、歩けないなどの歩行に異常がみられるため、
こちらも違和感を感じたら動物病院で受診しましょう。
・マラセチア皮膚炎
マラセチアは強いかゆみを伴います。常に患部を舐めたり噛んでいる場合には皮膚を傷つけて他の細菌感染を併発する可能性も高いようです。また舐めたり噛んだりすることで、脱毛することもあります。
犬が一定箇所を舐める、噛む、引っ掻く、壁や床にこすりつけるなどの様子が見られたら、かゆがっているサインです。皮膚の状態を確認して、早めに受診しましょう。
それでは
愛犬が手足を舐めるのを防ぐ
には
もしも愛犬が手足を舐めている理由がわかったら、それ以上舐めないようにする必要があります。舐め始めて「No」としつけをしてもお留守番中など飼い主さんが見ていないときに舐めるのを止めさせるのは難しいですね。
短時間のお留守番であれば、カラーをつけるなどして舐めるのを防ぐの良いでしょう。
カラーがストレスになる場合には、患部に包帯を巻いてあげましょう。
きつくならないよう、ほどけないように巻いてあげましょう。
また舐め防止用のジェルなどもオススメです。舐めると苦い味がするので、舐め防止になります。
まとめ
今回は愛犬が手足をなめるときの原因についてご紹介しました。
手足が変色してしまうほど舐めているとき、きっと愛犬はとても痒かったり、ストレスを感じていたり、痛がっている可能性があります。
大切な愛犬にはストレスフリーで過ごしてほしいですよね。
普段から愛犬の様子をチェックし、手足に異常がないかチェックするようにし、異常がみられるようであれば、病院での受診をお願いします。
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