事業承継・中小企業の懸念まとめ

中小企業庁の発表によると、今後10年の間に、70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万(日本企業全体の1/3)が後継者未定。
現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性。

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事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する「法人向け事業承継税制」を、平成30年度の税制改正で抜本的に拡充。
 拡充前は、年間400件程度の申請であったが、拡充後は足元の申請件数は年間6000件に迫る勢いであり、爆発的に伸びている。

後継者不在の中小企業・小規模事業者の事業引継ぎを支援するため、マッチング支援を行う「事業引継ぎ支援センター」を全国47都道府県に設置している。
 平成23年の発足以来、年々実績を上げており、相談件数は30,000件を突破し、2,000件以上の事業引継ぎを実現した。

後継者が不在のため事業承継が行えないといった課題を抱える場合、いわゆるM&Aによって、事
業の継続・技術の伝承等を図ることが重要。このため、平成30年に中小企業等経営強化法を
改正し、M&Aによる事業承継を支援対象に追加することで、第三者への事業承継を後押し。
 具体的には、①事業を承継するために合併・会社分割・事業譲渡を行って不動産の権利移転が
生じる場合に登録免許税・不動産取得税が軽減されるほか、②許認可承継の特例(※)等の支
援措置が利用可能。
 なお、これらの支援措置を受ける場合、業所管大臣から、中小企業等経営強化法に基づく経営
力向上計画の認定を受ける必要がある。

近年M&Aの増加要因には、クロスボーダーM&Aの増加と事業承継ニーズの高まりがあります。

海外企業と行うM&AはクロスボーダーM&Aとよばれます。国内企業が譲受側になるケースはIn-out型M&A、海外企業が譲受となるケースはOut-in型M&Aです。

レコフデータの発表によると2017年の国内企業が譲受側になるM&Aは672件で昨年の636件を上回り過去最多を更新するなど、現在クロスボーダーM&Aの件数は増加しています。

国内需要の縮小や新興国の経済成長によって、国内で既存事業を継続するだけでは企業の成長が危ぶまれる中、グローバルに通用するビジネスモデルを構築するための選択肢として、多くの日本企業が近年クロスボーダーM&Aに取り組んでいます。

M&Aを成功させるためには、信頼できる優秀なM&Aアドバイザーの存在が不可欠です。基本的に、M&Aアドバイザーは専任で契約を結び、手続きの進行をともにすることになるため、成約までのパートナーとして慎重に選ばなくてはいけません。

どのような場合でも経営者として大切なことは、常にサステイナブル
な企業価値の最大化を念頭において経営しているといい切れるかどうか(過度
なレバレッジで企業価値をふくらませばサステイナブルでなくなる)、そして企
業価値とは何を意味するかを明確に株主や市場に説明できるかどうかであろう。

相手先企業を見付けたきっかけでは、「自社で
相手先を見付けた」や「相手先から直接売り込ま
れた」といった相対でのM&Aの実施も多いも
のの、「第三者から相手先を紹介された」が一定
割合を占めている。そうした第三者としては、金
融機関や仕入先・協力会社、専門仲介機関が多
く、M&Aの推進に当たり一定の役割を果たし
ており、今後もM&Aの推進に向けた役割を果
たしていくことが期待されるといえよう。

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