立憲民主党は20日、中長期的な経済政策「ボトムアップ経済ビジョン」を発表した。夏の参院選公約の柱と位置付け、「物価を上げる」アベノミクスへの対抗として「賃金を上げる」政策を重点的に打ち出した。最低賃金法改正などで5年以内に全国一律で最低賃金を1300円に引き上げることなどを盛り込んだ。
「最低賃金あげまぁす!!」明るみに出た立憲民主党の経済オンチ……韓国の二の舞を演じさせる気か!!
立憲民主党は20日、夏の参院選公約に掲げる経済政策のベースになる「ボトムアップ経済ビジョン」を発表しました。
……しかし、この政策に「経済をもっと勉強しろ」と専門家からも批判がきています。
枝野幸男略歴
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・官房長官(悪夢の菅政権)
・経済産業大臣(悪夢の野田政権)
賃金・所得を上げ、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費を回復し、内需拡大を通じた経済成長の実現を目指す。具体策として保育士・介護職員の給与引き上げ、非正規社員の無期直接雇用への転換などを掲げた。
消費税率は当面8%に据え置き、所得税・法人税への累進課税強化などで財源を確保する。また、原発ゼロを実現し、廃炉事業などの関連産業を育成する。
最大の問題点は「5年以内に最低賃金を1300円にする」というところです。立憲民主党と政府の方針の大きな違いは、「5年以内に全国一律で1300円」と「3年程度で全国平均で1000円」ですが、前回の記事『最低賃金5%引き上げで、懸念される日本の将来』(6月17日)では、政府が目論む「5%程度の引き上げ」は地方を中心に中小零細企業の雇用が脅かされるため考え直したほうがいいと申し上げました。
目下のところ、日本は年々人口減少が加速しているにもかかわらず、低い生産性の代表とされている小売業・飲食業などの店舗は増え続けています。
そのような生産性に下押し圧力が働いている状況のもとで、最低賃金(全国平均874円)を2019年から5%ずつ引き上げ2021年に「1000円」を突破するようなことになれば、アルバイト・パートで経営が成り立っている中小零細企業の大半が慢性的な赤字に陥るだろうと警鐘を鳴らしたというわけです。
立憲民主党の方針が政府よりさらに輪をかけてひどいのは、5年以内に最低賃金を1300円に引き上げるためには、その引き上げ率が尋常ではなくなるということです。
たとえば、最低賃金が全国平均に最も近い兵庫県(871円・全国8位)では、1年ごとに8%超を引き上げていく計算になりますし、47都道府県で中央(24位)に位置する石川県(806円)では、10%超の引き上げが必要になります。最低賃金が最も低い鹿児島県(761円)の場合、1年で11%超の引き上げが必要になるのです。
立憲民主党の幹部の方々は、お隣の韓国で今何が起こっているのか、直視したほうがいいでしょう。韓国では文在寅(ムン・ジェイン)政権が所得主導の経済成長を掲げ、最低賃金を1万ウォンに引き上げるという公約の実現に向けて暴走しています。
最低賃金を2017年に16.4%(7530ウォン)引き上げたのに続き、2018年にも10.9%(8350ウォン)引き上げた結果として何が起こっているのかというと、失業率が悪化の一途をたどり、直近の2019年4月の失業率は4.4%と19年ぶりに過去最悪の水準を記録しているのです。
最低賃金の引き上げ率が2012年~2016年の5年間の平均7.4%を大幅に上回っていたため、中小零細企業のなかでも小売店や飲食店などが従業員を減らさざるをえない状況に追い込まれています。とりわけ若年層(15歳~29歳)の雇用の減少が著しく、若年層の失業率は11.5%と2桁の大台が定着しつつあります。さらに注目すべき傾向は、正規雇用が比較的安定している一方で、非正規雇用は大幅な削減が進んでいるということです。経済的に弱い人々にしわ寄せが偏るという結末になっているわけです。
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