倉庫の建築で知っておきたいコト

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倉庫建設の際に押さえておくべきポイントを解説

コストを抑えた倉庫建設を可能にする、倉庫の種類や用途、建設において重要なポイントをまとめました。安全性や耐久性などを満たしたうえで満足できる仕上がりの倉庫を作りたいなら、チェックしておいて損はないでしょう。

倉庫には農業や製造業などの物品を保管する「普通倉庫」や物品を10℃以下で保管する「冷蔵倉庫」、原木を河川や海で保管する「水面倉庫」などがあります。

中でも倉庫の大半を占めるのが「普通倉庫」。設備や構造基準で、1~3類倉庫・野積倉庫・水面倉庫・貯蔵槽倉庫、危険品倉庫・冷蔵倉庫が分類として存在。他にも、個人で利用するためのトランクルームが倉庫に分類されます。企業での物流・物品保管には主に1~3類倉庫が使われるのが一般的です。

種類別の倉庫の役割

普通倉庫で分類されている8種類の倉庫には、それぞれ用途や基準が決められています。屋外保管の野積倉庫や水面倉庫を除く6種類の役割・保管物品をまとめました。

・1類倉庫
建屋型営業倉庫で、一番高い水準の設備・構造基準を備えています。建築時は外壁基準や災害対策、防犯といった基準を全て満たさなくてはいけません。

設備基準:防水性能・防湿性能・遮熱性能・耐火(防火)性能
保管物品:日用品・紙・電気機械・1類~5類の物品

・2類倉庫
建築に必要な設備基準が、1類倉庫よりも緩和された倉庫です。ただし保管物品に制限があります。

設備基準:防水性能・防湿性能・遮熱性能
保管物品:でん粉・肥料・セメント・2類~5類の物品

・3類倉庫
設備基準が2類倉庫よりも緩和された倉庫で、防湿性能を満たす必要がありません。そのため燃えにくい・湿気に強い物品の保管に向いています。

設備基準:防水性能・遮熱性能
保管物品:ガラス類・陶磁器・鉄材・3類~5類の物品

・貯蔵槽倉庫
タンクやサイロで密閉された物品を扱う倉庫です。漏れ出す心配がないように、防水や強度の高さが重視されます。

設備基準:防水性能・耐火(防火)性能・側面の強度
保管物品:袋に入っていない穀物類・糖蜜などの液状物

・危険品倉庫
さまざまな法律で「危険物」に分類されている物品を保管する倉庫です。

設備基準:保管する土地の周囲を柵や塀で防護する・消火設備を設置する・防犯に備える
保管物品:消防法・第2条第7項/高圧ガス保安法・第2条/液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律・第2条第1項/石油コンビナート等災害防止法・第2条第4号
上記法律にて危険物と指定されている物品

・冷蔵倉庫
10℃以下で保管しなくてはいけない物品用の倉庫で、生鮮物を主に保存するところです。

設備基準:外壁の強度・防水性能・耐火(防火)性能・温度計の設置
保管物品:10℃以下で保管する農畜水産物(生鮮・冷凍)、その加工品など

倉庫建設における費用はどのぐらい必要?

倉庫建設における費用は、保管する製品や規模によって大きく異なります。例えば食品保管の倉庫を建てる場合は、保管基準に合った温度や湿度を調整する空調設備が必要です。
また外壁についても猛暑に耐えられる断熱性が求められますので、スペックとスペースによって費用相場が変わってくると捉えるのが理想と言えるでしょう。ちなみ空間だけ確保したシンプルなグレードの倉庫は、坪単価20万円ほどで建てられると言われています。

倉庫建設の計画はどのように進めていくもの?

倉庫建設を成功させるためには、設計者とのコミュニケーションをしっかり行う必要があります。また保管する製品に必要な温度や湿度、高さ、重量、縦横幅がわからなければ、使い勝手の良い倉庫建設は難しくなりますので、設計者に細かく保管品のスペックを伝えることが、理想的な仕上がりに繋がると言えるでしょう。

倉庫建設費用を抑えるために実践すべき方法

下記事例のような工夫を行えば、倉庫を建てる際にかかるコストを削減できます。

《倉庫規模を容積で考える》
必要以上に高さのある倉庫は、工事に使用する外壁材や構造部材が増大することで、建設コストが増えると考えられます。こうした事態を回避するためには、本当に必要となる高さをきちんと考えた上で設計を行う取り組みが必要となるのです。

《柱スパンを追求する》
倉庫建設を効率的に行うためには、柱同士の間隔についても考えなければなりません。一般的な皆さんの感覚では、柱の間隔を広い倉庫を作れば、本数減により部材コストを抑えられると考える方々が多く見受けられます。しかし柱の本数を少なくすると、それだけ1本あたりの荷重が大きくなるデメリットが出てきますので、強度を持たせる必要性が生まれるといった意味でもおすすめ度は低いと捉えた方が良いでしょう。鉄筋構造における経済的な柱スパンは、7メートル程度と言われていますので、この基準をベースに倉庫設計をすれば工事費用が抑えられると言えるでしょう。

倉庫を建設するなら、種類や使用目的をきちんと確認しておきましょう。倉庫の種類や設備基準が目的に合っていない場合、基準違反で建築できないことがあります。システム建築は基礎工法から建材まで規格化された工法なので、倉庫を建てるのであればそれぞれの用途に合わせた設計・依頼が重要。そのため、さまざまなニーズに対応できるシステム建築を扱っている会社に依頼するのがベストです。「倉庫の種類」「設備基準」「保管できる物品」などのポイントを押さえ、低コストで安全な建物に仕上げてもらえるところを選びましょう。

倉庫建設の際に押さえておくべきポイントを解説

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