徐放性テオフィリン薬(徐放性キサンチン系薬).
効能: ゆっくり溶ける作用時間の長い薬で、気管支拡張作用があり、気管支の炎症をおさえる作用もあります。
長時間効果の持続するテオフィリン徐放製剤(テオドール、テオロング、スロービッドetc.)は、安価な上に内服薬でも効果が悪くないということで、日本では多用されてきたのです。
徐放性テオフィリン薬の血中半減期(薬が分解されて、血液中の薬の濃度が半分になってしまう時間)は約8時間で、1日1~2回の服用で血中濃度を維持することができます。
テオフィリンは気管支喘息の治療に長い間使用されてきた薬で、現在でも日本では多くの患者に投与されています。
その理由は、気管支拡張作用は勿論ですが、低濃度でも抗炎症作用もあるということで、喘息の急性期治療薬としてだけでなく長期管理薬(コントローラー)として使用されてきたからです。
出典 ddslabs.net
薬を含む核をコーティングした徐放性のコア部を、すぐに溶ける錠剤で固めています。飲みこんだ後は外側はすぐに溶け出して、錠剤が溶けると共に、中に入っているコア部が出てきます。そして徐々にコア部からテオフィリンが溶け出してきます。
本剤はテオフィリンを含有する徐放顆粒と賦形剤からなる顆粒とを打錠して製したマルチプルユニットシステムの徐放製剤である
テオドールは有効域が狭い薬物です。そこで、実際に使用される時には「胃や腸などの消化管で少しずつ溶け出すようにした製剤」が使用されます。
このような製剤を徐放錠と呼びます。徐放錠であれば、薬がゆっくり溶け出すために血液中の薬物濃度を一定に保たせることができます。
テオドールの有効血中濃度は10~20μg/ml で治療域が狭く、これを超えると副作用の発生頻度が高まり、これ以下では効果が少ない
近年になってテオフィリン使用患者でのけいれんの重症化の報告が相次いでされるようになり、テオフィリン関連けいれんと言われ問題となってきました。
このけいれんは5才以下の乳幼児に多く認められ、一部は重度の後遺症を残します。
生化学や栄養学ではアデニンやグアニンを中心とした、プリンを部分構造として持つ生合成・代謝産物を総称してプリン体と呼ぶ。
プリン体は代謝されると痛風の原因物質の尿酸となるため、痛風患者がプリン体を過剰摂取すると病状が悪化すると言われる。
テオドールで報告されている主な副作用には、不眠・動悸・頭痛・腹痛・悪心・嘔吐・蛋白尿・尿酸値上昇・胸やけ・頻脈・頻尿・だるさ・口や舌のしびれなどがあります。
喘息患者に高尿酸血症を合併する例が少なくなかった。これは使用頻度の高かったテオフィリン製剤による副作用であることが判明した。
テオフィリン服用者で血中尿酸値の上昇が認められた場合には、同剤を休薬することが理想だが、治療上の必要等からそれが不可能な場合には、XO阻害薬を併用するのが一般的である。
併用によりテオフィリンの血中濃度が上昇するため、テオフィリンの減量が行われる。
テオフィリンを服用すると、プリン体から尿酸への変換が亢進し、尿酸値が上昇します。上昇が認められた場合には、アロプリノール(ザイロリック)が併用されるのが一般的です。
ザイロリック(アロプリノール)はキサンチンオキシダーゼ阻害薬。テオドール(テオフィリン)はキサンチン誘導体。ザイロリックが、テオドールの代謝を阻害して、血中濃度が上昇してしまうわけです。
キサンチン系薬剤(テオフィリン等)の血中濃度および半減期は1.4から2.5倍に上昇し、クリアランスは約30~60%低下するとの報告がある。
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