交感神経のα受容体とβ受容体を遮断する薬剤のひとつで、高血圧・狭心症・心不全治療薬である。
β受容体遮断作用に加えてα1受容体遮断作用による血管拡張作用、降圧作用を示し、血管抵抗を維持、減少させて、心臓のポンプ機能を改善し、体に必要な血液を十分に送り、心機能を改善します。
カルベジロールは、交感神経α及びβ受容体に拮抗作用を示す薬物である
主体はβ遮断作用で、降圧作用も主としてこれに基づく。
α1 遮断作用による血管拡張作用と不全心筋への抗酸化作用を併せ持つ、非選択的なβ遮断薬です。(α:β遮断効力比=1:8,β1:β2遮断効力比=7:1)
β2遮断作用は比較的弱いものの、「気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者」には投与禁忌となっています。
脂溶性のβ遮断薬は心不全治療に有効で、特にカルベジロール、ビソプロロールの有用性が広く確かめられています。
この二剤が心不全治療におけるβ遮断薬の代表選手と言えるでしょう。アテノロールに代表される水溶性のβ遮断薬の効果は必ずしもよくありません。
慢性心不全の心臓は常に頑張らされていることになりますので,β遮断薬で無理をさせないようにするというのが治療の原理となります
以前は,機能の低下した心臓に対して,心臓を頑張らせない薬を使うことは禁忌のように考えられていました。しかしこの15年くらいの間に考え方がガラリと変わり,体を動かしたりするたびに苦しい思いをして頑張っている機能の低下した心臓は,β遮断薬を使用してあまり頑張らないようにしておいたほうが長持ちすることがわかってきました。
心不全の多くの症例でβ遮断薬の投与が可能ですが、中には心不全が悪化する場合がありますので、その使用に際しては細心の注意が必要です。
原則的に、心不全に対するβ遮断薬療法は入院して開始します。そして、ごく少量、すなわち高血圧や狭心症に使用する5分の1~10分の1の量から開始します。
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