厄介な痛風に対処する

国民病といっても過言ではない生活習慣病。その中でも特に知られているのが痛風です。しかし、いざ実際に痛風になってから対策したのでは痛みでロクに動けないことも。ここでは痛風の概要とその対策法について紹介します。

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高尿酸血症と日本人特有の症状

痛風の前段階ともいえるのが高尿酸血症です。

高尿酸血症とは、 血中に存在する尿酸の血中濃度が異常に高い状態をいいます。

これはプリン体の過剰摂取が原因ですが、もう一つ先天的な 問題もあります。HGPRT欠損症やAPRT欠損症と呼ばれているもので、先天的な遺伝子の疾患によって、必要以上に尿酸を 生成してしまうのです。

どちらも尿酸の代謝酵素に関わる 遺伝子の異常ですが、このうちAPRT欠損症は、世界中でも 日本人にしか見られない遺伝子疾患です。

諸外国と地続きではない、 島国ならではの特徴といえます。

そして実は、さらに時代を さかのぼると、後に日本人に起きたような突然変異が人類 全体に起きていたのです。

それは、いずれかの時代において、 人類は尿酸を分解する酵素を失ってしまったということです。

ちなみに、人間をのぞく霊長類は全て尿酸を分解する酵素を 持っています。

ですから、なぜ人間だけがこの酵素を失って しまったのかは分かっていません。しかし、仮説はいくつか あります。

まず、一部の人類が尿酸分解酵素を失っても、 その後の進化においてなんら影響がなかったため、徐々に 広まっていったとする説。

もう一つはそもそも人類は尿素 分解酵素を持っていなかったとする説です。

痛風を調べるには?

痛風の検査は、尿酸値を測定して高尿酸値血症の原因や合併症にかかっているかどうかについて、調べます。

診断基準としては、尿酸結晶が間節液に存在していること、痛風結石、さらに下記にあげる項目の中でいくつか該当するものがあれば、痛風と診断されます。

・今までに2回以上、急性関節炎にかかったことがある
・片方の足に間接炎などの病歴がある
・関節に赤い発疹がみられる
・単関節炎にかかったことがある、または現在かかっている
・今までに、24時間以内に炎症がピークの状態に達したことがある
・血清尿酸値の数値が上昇したことがある。(又は現在上昇している)
・今までに痛風結節と診断されたことがある
・今までに第一足趾間接の病変・疼痛・腫脹などがある

痛風の検査は、関節液を採取して、それをもとに検査を行いますが、痛みをともないます。

実際には、尿酸値が正常で、痛風の確定が困難な場合に限り、この検査が行われることが多いようです。

また、これ以外にも家族からの遺伝による原因も考えられます。

問診の際には、家族が今までに痛風にかかったことがあるかどうか、尋ねられることがあります。

痛風にかかっている人に、その症状を聞くと、「風が吹くだけでも痛い」と言います。

そのため、早期発見・早期治療で症状が軽減されます。

■尿酸値の測定について

痛風にかかっているかどうかを調べるには、尿酸値を測定して、正しい数値を知ることによって、痛風の診断材料のひとつになります。

毎日仕事が忙しくて、病院で検査を受けることが難しい人の場合であれば、自宅で簡単に尿酸値を調べることもできるので安心ですね。

自宅で尿酸値を調べるには、体内から血液を採取することで検査ができます。血を抜く、と書くと恐ろしそうに見えますが、実際の血液の量はわずか一滴で十分です。

痛風を未然に防ぐには、尿酸値を正しく知ることがもっとも大切です。

いちばんよくないのは、なにも自覚症状がなければ、病気について考えることもなく、なんとなく日が過ぎていくうちに、ある日突然痛みが走り、検査してみたら数値に異常がみられて、痛風にかかっていた、というような結果になると、なかなか改善が難しくなります。

尿酸値は、合併症や突然起こる痛風の発作を予防する上で、6mg/dl以下に抑えなければなりません。忙しい人には、自宅で検査できる郵送検診キットです。

自分の都合のいい時間に血液を一滴採取して、郵送します。検査の結果がわかるまでに、1週間程度の日数を要します。

一滴の血液から、尿酸値だけでなく、コレステロールや中性脂肪などの血中に含まれる脂質量や血糖値、腎機能肝機能の数値などがわかります。 基本健康診断の血液検査に相当します。

この検査結果をもとに痛風にかかっているかどうか、そのものを知ることはもちろん大切ですが、肝心要と言われる腎臓や肝臓が正常に機能しているかどうか、血液の状態などを知ることができて、生活習慣病の予防にもなります。

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