痛風の前段階ともいえるのが高尿酸血症です。

高尿酸血症とは、 血中に存在する尿酸の血中濃度が異常に高い状態をいいます。

これはプリン体の過剰摂取が原因ですが、もう一つ先天的な 問題もあります。HGPRT欠損症やAPRT欠損症と呼ばれているもので、先天的な遺伝子の疾患によって、必要以上に尿酸を 生成してしまうのです。

どちらも尿酸の代謝酵素に関わる 遺伝子の異常ですが、このうちAPRT欠損症は、世界中でも 日本人にしか見られない遺伝子疾患です。

諸外国と地続きではない、 島国ならではの特徴といえます。

そして実は、さらに時代を さかのぼると、後に日本人に起きたような突然変異が人類 全体に起きていたのです。

それは、いずれかの時代において、 人類は尿酸を分解する酵素を失ってしまったということです。

ちなみに、人間をのぞく霊長類は全て尿酸を分解する酵素を 持っています。

ですから、なぜ人間だけがこの酵素を失って しまったのかは分かっていません。しかし、仮説はいくつか あります。

まず、一部の人類が尿酸分解酵素を失っても、 その後の進化においてなんら影響がなかったため、徐々に 広まっていったとする説。

もう一つはそもそも人類は尿素 分解酵素を持っていなかったとする説です。