アデランスの人工毛研究開発への熱意がすごい・・・!

アデランスといえば、増毛やウィッグがすぐに思い浮かぶ、知名度の高い会社です。くわしいことは知らなくてもCMは見たことがあるといった人も多いのではないでしょうか。そんなアデランスでは、自社で人工毛の研究開発を行っており、日々進化をとげています。今回はアデランスの人工毛の開発秘話などについてまとめてみました。

ねーぱ1234 さん

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人工毛の原材料を供給してくれた大和繊維

「ウィッグメーカーで毛材を自社で研究開発・製造しているところは少なく、たいていは原材料メーカーから一定のロットで購入することが多いんです。ところがアデランスは、先端的な毛材を使いたいと自社で開発をしています。自分のところで糸をひく(紡糸)というのですから、最初は驚きました。そこがすごいところだと思います」
と振り返るのは、大和繊維の穗谷充宏社長だ。

「私のところで糸をひくわけではないですが、世界中のどこのメーカーのどんな樹脂でも提供できるという自信があります。ただ、同じナイロンでもメーカーによってコンパウンドされている材料が微妙に違いますから、その特性を知っておかないといけません。アデランスは色々と試行錯誤を重ね、最終的には画期的なウィッグ用の人工毛を開発することに成功しました」
それが2006年に発表された「バイタルヘア」だ。

この技術開発に、大和繊維のような合成繊維のプロフェッショナルが協力した意義は大きい。

アデランスの設計にもとづく原材料の手配はまず大和繊維に持ち込まれ、業界動向を熟知した大和繊維が最適な材料を原材料メーカーにオーダーして、それをアデランスに納めるという関係は現在も続いている。こうした密接な企業間連携は、今後も、アデランスの人工毛の技術革新には不可欠なものである。

アデランスだけではなく人工毛の開発にはさまざまな企業が携わっています。

バイタルヘアよりもさらにいいものを開発中

毛は切れやすい、カールがとれやすい、色が落ちやすい。それをまずは強化しようとサイバーヘアを開発しました。そのサイバーヘアには張り、コシが不十分というので芯鞘構造にし、素材も変えてバイタルヘアを開発したら、人毛にかなり近い挙動が出ました。
ところが、それでお客様が満足するかというと、そうじゃない。まだまだ人毛に近づかなくてはなりません。

元々ウィッグの人工毛の多くは、ポリエステルが主流なんです。やはりポリエステルは固いので、張りとコシが出やすい。その代わりに、固いので風合いに乏しい。ところがいま、この固いポリエステルを、柔らかい風合いにして、人毛に近づけたものがたくさん出てきているのも事実なんです。
大手の繊維メーカーなどは、ポリエステルからそうした糸にする技術を開発し続けていますが、キューティクルなど天然の人毛に関するノウハウはありません。このようにポリエステルの動向を見ながら、我々はさらに人毛に近い人工毛の開発を進めていきます。

新たな人工毛もあと少しで完成?

可能な限り早い時期の商品化を目指していますが、人工毛というのは、毛材単体が良好な状態であっても、実際にウィッグにしてみないと分からないのです。仕上がったウィッグを扱ってみての社内での評価が重要で、そのハードルは非常に高い。商品化する上でクリアしなければならないハードルはたくさんあります。ウィッグを実際に扱う営業現場からの声がどのように戻ってくるのかによって商品化の時期も違ってきますし、新人工毛がそれぞれのお客様のニーズの違いにどう対応できるかは今後の課題です。

昨年のアジア繊維学会で私が講演したのは、普通、ポリエステルを染めるには120度ぐらいの高い温度が必要ですが、安全な有機溶媒を使い、常温で繊維を延伸しながら、分子の配向と結晶化と染色を同時に行う技術の開発を行っています。この技術を応用すれば、今後、人工毛の色についても一人一人の髪に本当に合わせたものができるようになるという可能性がありますね。

今後もアデランスの人工毛に期待!

アデランスの人工毛の研究開発は今も続けられています。
人の毛と全く区別がつかなくなる人工毛が開発される日も近づいてきているのかもしれませんね。
今後も開発に期待です!

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