官邸主導強化の象徴と目されているのが、警察省出身の北村氏の国家安保局長への起用だ。
初代局長の谷内正太郎氏は元外務事務次官。後任も外務省出身者が就くとみられていただけに、北村氏を充てることには波紋が広がっている。
北村氏は第1次安倍内閣で首相秘書官を務め、首相側近として知られる。外務省による「表ルート」で日朝交渉の突破口が開けない中、北朝鮮統一戦線策略室長とベトナムで昨年7月に極秘接触したと報じられるなど、かねて水面下での交渉の可能性が取り沙汰されている。
外務省の幹部人事に衝撃が広がっている。現事務次官の斎木昭隆氏の夫人、斎木尚子氏が国際法局長になる人事
報道官・広報文化組織国際文化交流審議官から経済局長に抜擢された時も「自分の妻を重用するのか」と物議をかもした。官邸の杉田官房副長官もこの人事には「何を考えているのか」と呆れ返ったとされる。なのに、今度はもっと露骨
「首相の本音は二島返還で十分というもの。“島民も四島返還は望んでいないし、全面積の7%とはいえ、二島返還で日本の領海は広がる。共同経済活動を進められれば、双方のメリットも大きい”と見ています」(官邸関係者)
安倍首相が苛立ちを隠せないのが、外務省だ。首相側近はこう憤る。
「四島返還に拘るあまり、谷内正太郎国家安全保障局長らが首脳同士で合意した内容を、事務レベルで後退させるケースが相次ぎました。山口での首脳会談では秋葉剛男外務審議官(当時)を最後に同席させ、実際のやり取りを見せ付けたほどです」
これまでもプーチン氏からは「事務方の報告を聞く限り、日本はこの問題を解決する気がないのではないか」との懸念が伝えられてきた。
宗教改革がイタリアから始まり、名誉革命のあとにマグナ・カルタができたと考えている人が、日本の外交戦略を立てている。しかも、彼はこの本を教科書にして早稲田大学で講義をしている。早稲田の学生は、こういう講義を聴いて国際政治について勉強した。
著書『戦略外交原論』には基本的な歴史認識の乏しさが露呈。
その程度の世界理解で『戦略外交』とは!笑わせてくれる
谷内局長と兼原信克官房副長官補(国家安全保障局副局長兼任、駐韓日本公使出身)など官邸の2人の外交指令塔は韓国との関係改善から手を引いてしまった
安倍官邸は「いわゆる徴用工問題」で韓国への対抗措置を検討したが、外務省の頭越しに、輸出管理強化という答えを出したのは、経産省だった。
伝統的な外務省サークルには、いまも釈然としない思いが残っている。「あそこまで韓国を追い込んでしまったら、外交が成立しない」とか、「首の皮一枚、残すべきだった」というのだ
『国際テロ情報収集ユニット』立ち上げの際、組織の実権をどこが握るかをめぐって、外務省と警察庁の間で激しい攻防があった。結局、最終的には、安倍総理大臣や菅官房長官と関係の深い、北村内閣情報官が主導権を握り、組織のトップのユニット長は、警察庁出身者から出すことに決まった。このときの外務省の恨みはものすごかった
テロ対策強化のため、特にイスラム過激派などに関する情報収集や分析を行うのが任務だ。政府は、組織の立ち上げにあたって、ノウハウに乏しいテロ交渉や情報収集の術を学ぶため、同盟国や友好国などの外国機関との交流を通じて、職員の育成を行った。
「安田さんが解放されたのが午後9時頃だと言われているが、われわれは、そのころ食事をしていた。しかし、不思議なことに、最後まで誰の携帯にも『安田さんが解放されたのではないか』という知らせが入らなかった。私は店を出てから安田さんが解放されたかもしれないというニュースを知ったが、なんで外務省のテロ対策の官僚がいるのに連絡が入らないのか不思議だった」
シリアで拘束された安田純平さんが開放された一報がテロ対策の外務省官僚にはいっていないというカヤの外感…!
中国を含めて、東アジアは前例のない大激動期を迎えている。韓国のトンデモ政権には「戦略的無視」、中国の微笑外交には「相手を上回るズルさと警戒心」が必要
文在寅(ムン・ジェイン)政権の韓国は、そもそも話し合いが成立する相手なのか。文氏は最近も「日本は経済報復の理由も明らかにしていない」とか、「一度合意したからといって、すべてを終わらせることはできない」などと言い放っている
外務省の問題は、変わらない部分もあるのではないでしょうか。昔は国と国のつきあいというのは、若干通商もありましたが、戦争と講和の問題が外交官の大きな仕事だったのです。今でもそれが外交官の仕事であることは変わらないと思っています。ただ、これは最近は不定期になってきていますし、戦争と平和以外の国と国との交流が増えてきています。その部分は、従来の外務省という組織でくくっていくのには不適切ではないかと思います
- 1
- 2