1:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:49:45.86ID:+d+eQzmK0
していく
3:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:51:11.95ID:+d+eQzmK0
約半年前、ある一人の女の子と知りあった
そのころの俺はというと、恥ずかしながら長い長い片思いについについに、ピリオドをうたれ、心にも大きな傷を打ちつけられ、学校にもいかず、失恋ソングを聞きあさり、日がな一日ひたすら「失恋ソングマイベスト」の製作にいそしんでいた。
軍人であれば勲章とも呼べるその大きな大きな傷とともに、今まで通り、脇目もふることもゆるされず、童貞街道をただひたむきにかけぬけていくことになったのだった。
6:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:52:35.89ID:+d+eQzmK0
タイミングはばっちりだった。
運命だとも思った。
それほど彼女は優しかった。
メールが毎日来た。
いくつも言葉をかけてもらった。
「これが恋か」ともおもった
今思えば、なぜ気付かなかったのだろうか
彼女は メ ン ヘ ラ であったことに
8:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:53:09.55ID:+d+eQzmK0
今年の春前
合コンに呼ばれた。共通の友人を介しての3対3の合コンである。
そして当日、先に待ち合わせ場所に集まった我ら一同ブサイク三人衆。
チビデブハゲの3拍子、そろった俺らは無敵。
そんなフレーズが浮かんできた。嘆かわしい。
チビが俺。デブはデブ。ハゲはM字。
しかし、デブはデブでもこいつはモテるデブであった。
「女も食い物」が持論の彼。
デブのくせに
10:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:53:49.89ID:+d+eQzmK0
デブから合コンについての心構えについての熱い抗議を聞いていると、女の子たちがやってきた。
そこには、麻美ゆまとカエルと滝川クリステルがいた。
滝川「ごめーん!まった~!?」
デブ「ぜんぜーん!今来たとこ!」
30分にわたる抗議はなんだったのだろうか。
居酒屋にはいり、テーブルをはさんで向かい合わせに座る我ら。
席順は以下の通り
俺 でぶ ハゲ
カエル 滝川 麻美
ちなみに滝川クリステルは滝川クリスタルでも、ハンマーで2、3発殴ったような滝川クリステルである。
自己紹介も終わり、お酒も進み、なんとも楽しげな会になっていった。
12:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:54:46.37ID:+d+eQzmK0
すると、恋愛トークになり、妙にテンションがあがっていったカエルが、俺に向かって言葉を話し始めた
カエル「俺って彼女いたことないのー?」
俺「いないんすよねー」
カエル「えええ!なんでいないの!?」
俺「なんでっすかね~、結構友達にはネガティブなとこあるって言われてるんで、そういうとこかもしんないっすねー」
カエル「ええ!だめだよポジティブポジティブ!!」
俺「そうっすよね~ポジティブ大事っすよね!」
カエル「そうだよ!大丈夫!男は顔じゃないって!!!!」
俺はどうしようもなくネガティブになった
14:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:55:24.00ID:+d+eQzmK0
しばらくすると、麻美が隣に来ていた
麻美「さっきはカエルがごめんね~」
俺「ああ、いいっすよ、なれてますから」
麻美「ふふ、俺君っていい人なんだねー」
いいかほりがした。
麻美は麻美ゆまを上からバーンと押しつぶして太らせたような子であった。
ふくよかなその体にそびえたつ二つのおやまは推定Fカップ。
なきボクロがえろいぽっちゃりさん。
これで二つ年下というのだから、発育というものはおそろしい。本当にありがとうございます。
それからしばらく、麻美とのトーキングをエンジョイしていると、お時間となった。
17:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:56:03.91ID:+d+eQzmK0
終始和やかなムードで1次会が終了し、帰ろうか迷っている滝川をデブが必死に説得しているのを横目に、俺はそこで帰ることにした。
帰宅途中、ラインでメッセージが届いていた
「今日はありがとう!^^俺君気を使ってくれててありがとね!またあそびにいこ!」
麻美からだった。ああ、なんて良い子なのだ!!俺みたいな雄に声をかけてくださるなんて。これはまさに、神が与えたもうた、蜘蛛の糸のごとき一筋の光、逃す手はあるだろうか。いやない。
それから、数日ラインが続き、一緒にご飯にいくことになり俺の失恋話も聞いてもらった。
麻美「それは相手が悪いよ!!私なら絶対そんなことしない!!!」
男ってなんて単純なんだろうかと思った。それまで、隙あらば片思い相手のことを考えては落ち込むような色あせた日々が、一気に色彩と光を帯びていくのがわかった。
18:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:56:39.45ID:+d+eQzmK0
それから2回ほど遊びにいった。
彼女はあまり家庭環境が良くないようであった。それなのにこんなにいい子だなんて。世間はなんて世知辛いものなのだろうか、神も仏もいないのだ。
なんとも楽しい日々だった。砂漠のオアシス、ビスケットをたべた後のミルクのように、カラッカラに乾いた心をいやしてくれる存在。それが彼女だった。
異変に気付いたのは2回目遊びにいったころからだった。
20:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:57:11.02ID:+d+eQzmK0
メールが異常にくる
朝は「おはよう」からはじまり、返信しなければ30分置きに連絡がはいってくる。
「なにしてるの?」「なんでかえさないの?」「おい」
あれ、これは散々2chでみたメンヘラのテンプレ的行動ではないかと、いやしかし、彼女に限って、
そんな葛藤に悩まされた
21:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 19:57:44.54ID:+d+eQzmK0
仲良くしてくださっていた先輩がいた。なかなかに人生経験が豊富な方で、今期おすすめのアニメから女の落とし方などなど、幅広い相談事にのってもらっていた。
そして、麻美との仲を相談させてもらった。
俺「最近仲良くしてる子がいるんすよ」
先輩「おおまじで?!どんなこ?」
俺「それが、ちょっと変なんすよね。メールがめっちゃくるんですよ。ほらこれ」
先輩「え、それメンヘラじゃね?」
俺「あーやっぱそうなんすかねー」
先輩「メンヘラはやばいぞ。」
先輩の人生経験のひとつにメンヘラとの逢瀬も含まれていた。
デブにも同じたぐいの話しをしたらされた。
デブ「でもまあ、とりあえず食っちゃえばいいじゃね?」
ダブルチーズバーガーを食いながらデブはこういった。
「メンヘラはやばいぞ」
この一言を身を以て体感することになるとはこのときの俺は知る由もなかったのであった
31:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 20:00:46.72ID:+d+eQzmK0
彼女に出会って3週間後、ちょうど春休みに入ったころ
旅行に行きたいねという話をした。北海道に行きたいねと。
なんでもない会話で、3秒後には次の話題にはいってしまうような話しだった。事実俺はその翌日まですっかりそんな話しをしたことさえ忘れていた
しかし、その翌日
麻美から電話がかかってきた
麻美「飛行機のチケットとったからねー!」
俺「え?」
麻美「昨日行きたいね!って話ししたじゃんwww」
俺「え、でも本当に行くって話しじゃなかったし、てか急すぎない!?」
麻美「‥‥私と旅行するのいやなの?」
俺「えーいやいや、そんなことはないよ!うれしいよ!」
麻美「ほんと!?じゃあ、○日から×日の間でチケットとったからよろしくね!!」
すでに日取りが決められていた。しかも一週間。
なんとか予定をやりくりし、きたる童貞卒業旅行にむけてはしゃぐ俺
先輩の一言など頭の片隅のそのまた隅に追いやられ、デブの一言が俺の股間を奮い立たせていた。
38:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 20:04:33.60ID:+d+eQzmK0
そして旅行当日
幸か不幸か麻美と同じ飛行機がとれず、別々の便で向かうことになった。
友人達から選別として送られたコンドームを鞄にしのばせて、初めて1人で空港へむかった。荷物検査のお姉さんの手によってコンドームが白日のもとにさらされたのはまた別の話しである。
がっちがちに緊張していた。旅行先の空港で立ち寄ったスタバではキャラメルフラペチーノを盛大にぶちまけ、気分を落ち着かせようと入った満喫で財布をなくし、警察ざたにもなったのもまた別の話しである。
45:1 ◆zskxjT8Dy7RW :2013/11/23(土) 20:08:13.87ID:+d+eQzmK0
そうして、数々の試練を乗り越えてついについに俺は、麻美と合流成し得たのである。
麻美「俺君ー!!会いたかったよー!!」
天下の往来で会うやいなや抱きついてくる麻美
思わず「ふぁふょwwwwwww」と声にもならない声をあげる俺
俺「ちょ、人がみてるからwwww」
麻美「大丈夫だよー!w」
なにがいったい大丈夫であったのだろうか。周囲の奇異の目に気付くこともなく、北海道旅行は3回目だという麻美につれられて、俺の北海道旅行は幕を開けた。
その日はまだ雪も溶けきらぬ駅周辺をぶらぶらとまわり、夕方ぐらいに宿泊先へと向かうことになった。
61:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 20:14:36.01ID:+d+eQzmK0
宿泊先は麻美の「私にまかせて!!!」の力強い一言に押し込まれ、多少の不安はありつつも任せることにしていた。
そうして連れてこられたのは、とある駅から徒歩3分のマンション。
美人局‥‥?怖いお兄さんたちがまっている‥‥?
まだまだ寒い北海道で、嫌な汗が背中を伝うのを感じた。
麻美「ここだよー!」
俺「え、ここ?麻美の家なの?」
麻美「ううん違うよ!あ、あがってコーヒー飲もうよ!あるはずだから、多分」
多分‥‥!?
俺「ちょ、ちょっとどっかでお茶しない?のどかわいちゃった」
麻美「えー?なんで?」
俺「いいからいいから!」
近くの喫茶店に入り、必死の情報収集を試みるも何の情報もえられず、覚悟を決めた俺はマンションの一室へと足を踏み入れたのだった
67:1 ◆16i1keR0oc :2013/11/23(土) 20:18:48.49ID:+d+eQzmK0
麻美「おじゃましまーす!」
そこには何の変哲も無い普通のかわいらしいお部屋が広がっていた
俺「ここ麻美の家じゃないんだよね?」
麻美「うんそだよー」
俺「え、えっと、誰の家なのかな?」
麻美「ああ、友達の家ー。今旅行に行っててその間自由に使っていいんだってさ!」
ああああ、なんだそうだったのかあああああほっと胸をなでおろす
よかった、怖いお兄さんがいなくて
考えてみれば俺は少しビビり過ぎなのかもしれない。麻美だってメールではあれだけれども、こうして会っていれば全然普通のかわいらしい女の子ではないか!何をビビることがあるというのか!