実際、現物株と先物を合わせた昨年の日本株の買い主体を見ると、12月15日の週までの累計では、
外国人が2278億円と2013年の13兆6771億円から大きく減らしているのに対し、公的年金の売
買を仲介する信託銀行は2兆7469億円と大きく買い越している。
現在、日本株を最も保有しているのはGPIFだが、ETF購入を進める日銀は近く日本生命を抜いて
第2位の「大株主」となる見通しだ。「違和感はあるにせよ、GPIFと日銀の動向に神経質になるのはや
むを得ない」(国内証券)というのが市場の本音だろう。
「官製相場」は円債市場も同じだ。10年債利回りは過去最低水準の0.3%台に低下。日本経済もし
くは日本企業の業績が改善するとすれば、低過ぎる長期金利はいずれ正当化できなくなる。
一方、低い長期金利の方が「正しい」とすれば、今から10年後でさえ、景気や物価は上向いてない状
態と言うことであり、株高の方が修正を迫られることになる。
「官製相場」が行き過ぎて、実体経済とかい離するような相場が形成されれば、いずれ、株高と低金利
のどちらかが修正される形で大きく変動することになるため、警戒が必要だ。