大発会のマーケットには、その年の相場の特徴がしばしば表れることがある。日経平均<.N225>が3万
8915円(終値ベース)の史上最高値を付けた1989年12月29日。翌年の大発会となった1990
年1月4日は200円安で始まり、年間では1万5000円下落。バブル崩壊の予兆となった。

昨年初日の日経平均は、その前年末に9連騰と急上昇した反動が出て、380円安で始まった。昨年の
値幅自体は4100円と、それほど大きいわけではなかったが、前年末の終値水準から下に2400円、上
に1700円と上下に振れる荒れた相場展開を示唆するスタートとなった。

今年の大発会は、終値では42円安と小幅安だったが、一時はマイナス200円安まで下落。その後、
一時90円高の水準まで一気に切り返すボラタイルな展開となった。特段の買い材料は見られず、上海総合
指数<.SSEC>が一時3%超の急伸を見せたが、コマツ<6301.T>などの株価はマイナスで、中国関連株がにぎ
わったわけではない。

相場を反転させた材料は、日銀によるETF買いへの期待だ。前場終値がマイナス圏だったことで、午
後に入って買いが入るのではないかとの思惑が強まった。
「昨年の大納会(12月30日)は、日銀のETF買いが見送られたことが大幅安の一因となった。大
発会は逆に日銀のETF買いが入ると期待されるとの見方から、短期筋による押し目買いが入ったようだ」
(日本アジア証券グローバル・マーケティング部次長の清水三津雄氏)という。