11:2/5:2013/11/02(土) 20:51:47.09 ID:W3ujJ8R60
>>10の続き

「天井裏行ってみる?」サトウさんがそう切り出してきて、
俺の返事も待たずに懐中電灯を持ち出してきた。
が、俺は勝手に解決しようとして万が一にも天井踏み抜いたり、
そうでなくとも何か壊してしまったら後々色々問題になるかもしれない、
ここは管理している不動産屋に事情を話して来てもらったほうが良いんじゃないかと
提案し、行く気満々のサトウさんを説得した。

そして俺は「ざわつき声がする」と言うと不信に思われるので、
その辺りははぐらかし「床下から何か異音がする」と不動産屋に白々しく電話を入れた。
すると不動産屋はどうやら天井裏にネズミか何かが入り込んだと思ったのだろうか、
数日以内に業者を連れてそちらに向かうと言ってきた。

俺はなにか結果的に騙しているような感じになってしまってちょっと引け目を感じたが、
その事をサトウさんに話すと「まあ、異音がするのは事実だしとにかく来てもらおうよ」
という事で、特に問題ないだろうとの事だった。

当日、結構早い時間にサトウさんが俺の部屋にやってきた、
不動産屋と約束した時間にはまだかなり余裕がある。
彼が言うには、どうも急な用事が入ってしまって今日は立ち会えないとの事で、
不動産屋が来たら問題ないから合鍵で勝手に部屋に入ってしまって
かまわないと伝えてほしいとの事だった。

「そんな事自分で電話しろよ…」俺はそう思ったが、
まあ仕方が無いので了解し、不動産屋との待ち合わせの時間まで待機する事にした。

昼少し前くらいに不動産屋が駆除業者と一緒にやってきた。
不動産屋がサトウさんと連絡が取れないが何か聞いていないかと言うので、
今日の早朝にあったことを話すと、少し困った顔をしたが一応サトウさんの部屋へ行く事にした。

話を聞くと、1階と2階の間を調べるにはサトウさんの
部屋のバスルームの天井から入るしか無いらしい。
サトウさんの部屋に行くと、合鍵で開けてほしいとの事だったが、なぜか部屋のカギは開いていた。

流石に俺が入るのは問題があると思うので、
業者と不動産屋に任せて外で待っていると、突然中から
「うわ!大丈夫ですか!?」という声が聞こえてきた、
何事かと玄関のドアを開けてみると、不動産屋と業者が
真っ青な顔をして出てきて「警察に電話を…」と言ってきた。