米財務省が15日に発表した3月の海外投資家による対米証券投資統計では、米財務省証券投資の買い越し額は前月から大きく減少したものの、ベルギーが継続的に買い進め、中国と日本に次ぐ3位の保有国に浮上したことが分かった。
一方、ロシアは短期証券を中心に258億ドル売却。統計に含まれる国のなかで最大となった。3月の米財務省証券投資の買い越し額は259億ドルとなり、2月の925億ドルから大きく減少した。ただベルギーは402億ドルの買い越し。同国の過去5カ月間の買い越し額は約2011億ドルに達している。
3月時点のベルギーの米財務省証券保有高は3814億ドル。中国(1兆2721億ドル)、日本(1兆2002億ドル)に次ぐ3位に浮上した。
ベルギーは前年11月から今年の3月にかけての5カ月間、短期証券を中心に買い入れた。同期間に68億2000万ドルの米長期債を売却している。
ベルギーの米財務省証券買い入れの背景に何があるのか現時点では不明。 CRTキャピタルのシニア国債ストラテジスト、イアン・リンゲン氏は「第3国がベルギーに本拠を構える証券保管機関を通じて購入する動きを引き続き示している」との見方を示した。
ベルギーには欧州の清算機関、ユーロクリアの本部がある。
全体の株式スワップなどを除く米長期有価証券投資の買い越し額は40億ドルと、前月の903億ドルから縮小。対米証券投資は1261億ドルの売り越し。2月は1759億ドルの買い越しだった。
株式は144億ドルの売り越しとなり、売り越し額は2013年8月以来の高水準となった。