バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが世界のファンドマネジャー170人(総資産額4550億ドル)に行った調査によると、5月は株式の資産配分比率が低下する一方、キャッシュ比率は2012年6月以来、約2年ぶりの水準に上昇した。

株式は、純ベースで37%のオーバーウエートとなり、前月の同45%から低下。内訳では、ハイテク株の急落などで米国株の比率が低下したほか、日本株のオーバーウエート比率も7%と、2013年2月以来の水準に落ち込んだ。一方、欧州株のオーバーウエート比率は36%に上昇した。

債券全体の比率は、純ベースで55%のアンダーウエートとほぼ横ばい。ただしユーロ圏周辺国債については、取引が最も活発と見る向きが35%と、前月の19%から拡大した。

全般的にリスクオフの流れが広がるなか、キャッシュ比率は4.6%から5%に上昇した。

世界全体の新興国市場の比率は、純ベースで11%のアンダーウエートで、前月の13%からアンダーウエート幅が縮小した。バンカメの欧州株ストラテジスト、Obe Ejikeme氏は「先進国市場のモメンタムが後退するなか、新興国市場は足元、底を探っている可能性がある」と指摘した。

最も大きなテールリスクとしては、ウクライナをめぐる地政学的緊張や中国の債務不履行(デフォルト)懸念が上位を占めた。