「資本もバランスシートも顧客の成長に使ってもらう。今や、海外融資先の7割が投資適格だ。グローバルなトップ企業が顧客であり、世の中にどんな逆風が吹いても、彼らの経営は浮き沈みも小さい。景気が悪くなっても、むしろM&Aに踏み切るための資金ニーズが出てくる。海外ビジネスは持続的で安定的な成長モデルになっている。グローバルな景気動向に合わせて、縮んだり伸ばしたりする必要はない。国内も同じだ。商業銀行として、バック・トゥー・ベーシック(基本に戻る)だ」
―消費税引き上げの影響はどうか
「顧客の中には、消費税の引き上げに伴う落ち込みを相当に心配している声もあったが、思った以上に落ち込み幅が少ない。消費税の影響は出るものの、4―6月期の中で十分に吸収しうるだろう。駆け込み需要の反動でドカンと落ちて、7―9月期で勝負だという見方もあったが、意外に4―6月期は落ち込まないのではという感じを持っている」
―委員会設置会社への移行で何が変わるか
「委員会設置会社という器ができるだけではなく、意思決定プロセスに透明性が出る。社外取締役の目線を相当に意識するようなった。意思決定が彼らの目線でも納得的かどうかが問われる。銀行の常識は世間の非常識と言われるが、常識に持っていかなければならない。銀行は事業子会社となるが、持ち株会社の監査委員会は、調査権まで持ち、グループ全体にガバナンスを効かせる。銀行の意思決定のプロセスも、持ち株会社の外部の目線を意識するようになるだろう」