前場の東京株式市場で日経平均は続伸した。前日の米株高が支援して一時140円高まで上昇したが、中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を下回ったことから若干円高が進み、日経平均の上値を抑えた。
週末の米雇用統計や国内での連休を控え、様子見ムードも広がっているという。
前日の米国株式市場でダウ工業株30種<.DJI>が終値ベースで過去最高値を更新したことを受け、日経平均も続伸して始まった。業種別では証券業が群を抜いて高く、昨日好決算を発表した大和証券グループ本社<8601.T>や、自社株買いを発表した野村ホールディングス<8604.T>などが買われた。
ただ、中国国家統計局が発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.4と、予想の50.5を下回ったことが嫌気され、日経平均は上げ幅を縮小。前日に発表された第1・四半期の米国内総生産(GDP)速報値を受けてドル/円の上値が重くなっていたところに中国PMIが予想より下振れたことでさらに若干円高が進み、日本株の重しとなった。
また、前日の日銀展望リポートや黒田東彦総裁の会見を受け、市場の一部では追加緩和期待が後退したとの見方も出ている。ばんせい証券・投資調査部長の廣重勝彦氏は「確かに追加緩和が実施されないという現実味も出てきたが、まだ市場関係者の半分くらいは7月実施との見方を崩していない。ウクライナなど海外のリスク要因が高まれば、追加緩和の可能性はより高くなる」と述べた。