ある市場関係者は「(米)株がアンダーパフォームしたことで米国債が買われて利回りが低下した。この結果、ドルは弱含んだ」と述べた。欧州では4月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想以上に上昇して約3年ぶりの高水準となった。しかしユーロ圏の根強い低インフレがユーロの上値を抑えている。投資家は、欧州中央銀行(ECB)が追加的な金融緩和に踏み切る可能性を警戒している。

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが低下した。弱い経済指標を受けて逃避買いが膨らんだほか、ショートカバーの動きも追い風となった。市場関係者によると、前週のウクライナをめぐる4者合意を受けた緊張緩和で米国債は売られていたが、ここにきてショートカバーの動きが出た。4者合意による事態改善は限定的としてウクライナ情勢に関する懸念が再燃しており、逃避買いを支援しているという。

<株式> 米国株式市場は反落して引けた。航空機大手ボーイングなどが上昇したものの、通信大手AT&Tが下落したほか、バイオテクノロジー関連銘柄に幅広い売りが出た。AT&T<T.N>は3.8%安。四半期決算は実質1株利益が市場予想をわずかに上回ったが、売上高の伸びの鈍さが嫌気された。通信最大手のベライゾン・ワイヤレス<VZ.N>も1%下落。S&P通信株指数<.SPLRCL>は2.2%低下し、セクター別で最大の下げとなった。