10年債入札を実施したドイツの国債利回りは上昇。10年債利回りは1.503%まで上昇した。

ユーロ圏債務危機の最悪期はユーロ圏周辺国国債が売られたが、現在はより楽観的な見方が出ている。スペイン政府の資金調達責任者、パブロ・デ・ラモンラカ氏は、「少なくともスペインのケースでは、経済不均衡の是正と改革の効果に市場は反応している」としている。

欧州中央銀行(ECB)が量的緩和を含めた非伝統的な措置を用いてでもユーロ圏経済の成長を後押しする姿勢を明確にするなか、市場ではユーロ圏周辺国国債はもはや外部要因により大きく損なわれることはないとの見方が強まっている。

この日、親ロシア派勢力による行政庁舎などの占拠が続くウクライナ東部でウクライナ軍の装甲車6台が分離派の手に落ちるなど、政府が事態を掌握しきれていないことが浮き彫りとなったが、ステートストリート・グローバル・アドバイザーズのEMEA(中東・アフリカ地域)投資部門責任者、ビル・ストリート氏は、「ロシアをめぐる問題により、スペインの債務履行に関する見方が必ずしも影響を受けるわけではない」と指摘。

地政学的リスクより利回りが上昇すれば、買いを入れる格好の機会になるとの認識を示した。

今年これまでの利回りはスペイン国債が6.7%、イタリア国債が6.3%。独連邦債の3.2%の約倍の水準となっていることも、買いを誘う要因となっている。