正午のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル高/円安の101円後半。海外市場での大幅下落で値ごろ感が生じ、輸入企業のドル買いが流入した。ただ、日経平均株価<.N225>の戻りが鈍いなか、102円台を固めることはできなかった。

ドル/円は前日の海外市場で大幅に下落した。日銀が金融政策決定会合で追加緩和の見送りを決めるとともに、黒田東彦総裁が追加緩和は現時点で考えていないと表明したことが響いた。日経平均先物の下落や米長期金利の低下で101.55円まで下落し、3月19日以来の安値をつけた。ヘッジファンド主導で円買いが強まったとみられている。

ドル/円はニューヨーク市場終盤にかけて緩やかに持ち直した。東京株式市場で日経平均が下げ渋ると、102円ちょうどに控える売り注文をこなして102.05円まで上昇した。ただ、株の戻りは鈍く、ドル/円は上値が重くなった。

大手信託銀の関係者は「大台が替わった割に、(マーケットは)かなり静かな印象」と話す。この日は値ごろ感から輸入企業のドル買いが散見された程度で、輸出企業が急いでドル売りを出すことはなかったという。