<為替> 前週末の3月米雇用統計を受けたドル安の流れが続いた。一方、円は日銀金融政策決定会合の結果発表を控えて上げ幅が限られた。

終盤の主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.24%安の80.217。ドル/円は1週間ぶりの安値をつけた後、終盤は0.13%安の103.155円。

ユーロは量的金融緩和の導入に当面は消極的な欧州中央銀行(ECB)幹部の発言で上昇。終盤のユーロ/ドルは0.27%高の1.3742ドル。

ドルは対スイスフランでも下落。終盤のドル/スイスフランは0.49%安の0.8877フラン。

<債券> 国債価格が前週からさらに値上がりした。株安に伴い質への逃避買いが入り、30年債利回りは1週間ぶりの水準に低下した。

前週末発表の3月米雇用統計は市場予想を多少下回り、連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測が後退するなか、国債相場は序盤から買いが先行。今週は640億ドル規模の国債入札が控えているにもかかわらず、買いの勢いは衰えなかった。

ある市場関係者は「入札と株価動向が今週の材料になる」と話した。

雇用統計に関しては「結果を踏まえ、FRBの利上げ開始時期をめぐり先走りすぎたとの結論が投資家の間で出ている」(ハンコックAMのマイク・ロリジオ国債トレーディング部長)という。

<株式> 急落して終了した。このところ大きく上げていたネット関連銘柄を売りディフェンシブ銘柄を買う動きが出たことで、特にS&P総合500種が大きく下落し、3営業日の下げは1月下旬以来最大となった。

ネット関連銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>が1.6%安、ヤフー<YHOO.O>は3.5%下げた。グルーポン<GRPN.O>やリンクトイン<LNKD.N>を投資対象銘柄に含む上場投資信託のグローバル・X・ソーシャル・メディアETF<SOCL.O>は2.5%値下がりした。

ナスダック総合指数は、この3営業日の下げが2011年11月以降で最大となった。

<金先物> 先週末に急反発した反動から利食い売りに押され、小反落した。中心限月の6月物は前週末終値比5.20ドル(0.4%)安の1オンス=1298.30ドルと、1300ドルの大台を割り込んで終了。電子取引のレンジは1295.80─1304.80ドルだった。

3月の雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比19万2000人増と、ロイター通信の市場予想(20万人増)を下回った。このため、利上げ時期が前倒しになるのではないかとの懸念が後退しショートカバーが活発化した。しかし、週明けの7日はこの流れが反転。1300ドルを超える水準では利益確定の売りが目立った。

<米原油先物> リビア産原油の供給回復の動きや軟調な米株価などを背景に、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は、前週末終値比0.70ドル安の1バレル=100.44ドルで終了。6月物は0.68ドル安の99.78ドルで引けた。

朝方から軟調に推移した。リビア東部の石油輸出港を占拠している反政府勢力は6日、封鎖を段階的に解除することで政府側と合意。市場では、リビア産原油の輸出が回復するとの見通しが広がり、売り圧力が強まった。