7日の米国株式市場は、急落して終了した。このところ大きく上げていたネット関連銘柄を売りディフェンシブ銘柄を買う動きが出たことで、特にS&P総合500種が大きく下落し、3営業日の下げは1月下旬以来最大となった。

ダウ工業株30種<.DJI>は166.84ドル(1.02%)安の1万6245.87ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は47.98ポイント(1.16%)安の4079.75。

S&P総合500種<.SPX>は20.05ポイント(1.08%)安の1845.04。

ネット関連銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>が1.6%安、ヤフー<YHOO.O>は3.5%下げた。グルーポン<GRPN.O>やリンクトイン<LNKD.N>を投資対象銘柄に含む上場投資信託のグローバル・X・ソーシャル・メディアETF<SOCL.O>は2.5%値下がりした。

ナスダック総合指数は、この3営業日の下げが2011年11月以降で最大となった。

ただ、ここ数営業日は大きく下げていたバイオテクノロジー関連銘柄はプラスに転じ、ナスダック・バイオテクノロジー・セクター指数<.NBI>は0.5%上昇した。

一方で売り圧力は他のセクターに移り、S&P主要10業種のうち、プラス圏にとどまったのは公益<.SPLRCU>と生活必需品<.SPLRCS>のディフェンシブセクターだけだった。

ウェルズ・ファーゴ・アドバイザーズの主席マクロストラテジスト、ギャリー・セイヤー氏は「(ディフェンシブ銘柄が買われるという)こうした市場の動きは、昨年の大幅な株価上昇を受けて投資家が再び慎重姿勢に転じていることを示唆している」と指摘。「われわれは米経済と米株式市場が長期的に上向くとの見方を維持しているが、今年春から夏にかけては変動リスクが強まると予想している」と述べた。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)<.VIX>は11.5%上昇した。

衛星放送サービスのディッシュ・ネットワーク<DISH.O>は4.4%下げ、ナスダック100指数<.NDX>組み入れ銘柄では最も下落率の大きな銘柄の一角を占めた。

医薬品のファイザー<PFE.N>は3.0%安。同社の乳がん治療薬が臨床試験で、病状が悪化せずに患者が生存する期間を2倍近くに伸ばすことが示されたが、全体的な生存率を統計上、大きく改善させると示すところまでは至らなかったという。

専門医薬品メーカーのマリンクロット<MNK.N>は、バイオ医薬品のクエストコア・ファーマシューティカルズ<QCOR.O>を約56億ドルで買収すると発表した。買収によって、クエストコアが手がける主力の多発性硬化症(MS)治療薬を獲得する。株価はクエストコアが18.7%上昇したが、マリンクロットは2.5%下げた。

BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の出来高は合計で約75億株と今月これまでの平均である約66億株を上回った。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値         16245.87(‐166.84)

前営業日終値    16412.71(‐159.84)

ナスダック総合<.IXIC>

終値         4079.75(‐47.98)

前営業日終値    4127.73(‐110.01)

S&P総合500種<.SPX>

終値         1845.04(‐20.05)

前営業日終値    1865.09(‐23.68)