<為替> ドルが主要通貨に対して下落した。先週末発表の3月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想をやや下回ったことが引き続き材料視されている。一方、欧州中央銀行(ECB)のメルシュ専務理事、理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁が、近く量的緩和を行うことに消極的な姿勢を示し、ユーロの追い風となった。

主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数<.DXY>は0.2%安の80.26。

ユーロは対ドルで0.23%高の1.3736ドル。

ドルは対円で0.07%安の103.22円。日銀が緩和規模を拡大させるとの見方も出ており、円の上値は重かった。

<株式> ロンドン株式市場は反落。指数は1%強値下がりし、1カ月ぶりの大幅な下げとなった。住宅建設株などに売りが出た。

FT100種総合株価指数<.FTSE>は前週末、約3週間ぶりの高値をつけていた。

サンデー・タイムズに続き、住宅所有者団体はこの日、不動産価格の上昇がバブルの生成を招くとともに、住宅購入を困難にする恐れがあると警告した。これを受けて、住宅建設株や不動産関連株が下落。FTSE350建設・資材株指数<.FTNMX2350>は1%安となった。同指数は昨年23%上昇し、今年に入ってからも約12%値上がりしている。

住宅建設のバラット・デベロップメンツは<BDEV.L>は5%急落し、FTSE100構成銘柄の中で最も下げた。同業のパーシモン<PSN.L>も4%下落した。

欧州株式市場は反落。買収失敗のニュースを受け仏複合企業ブイグ<BOUY.PA>や通信イリアド<ILD.PA>が売られ、全体を押し下げた。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は16.88ポイント(1.25%)安の1335.90。前週末につけた5年半ぶりの高値から下落し、1カ月ぶりに大幅な下げを記録した。

DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は44.36ポイント(1.37%)安の3185.97。

仏メディア大手ビベンディ<VIV.PA>は電話子会社SFRについて、ケーブルテレビ大手ヌメリカブル<NUME.PA>による買収提案を受諾したと発表。これにより、1カ月にわたり繰り広げられていたブイグ傘下の通信会社ブイグ・テレコムとの買収合戦に終止符が打たれた。

ブイグ・テレコムは、SFR買収が実現すれば、保有する移動通信網と周波数の一部をイリアドに売却することになっていた。

ブイグは6%、イリアドは5.5%それぞれ下落した。

イリアドの下げに圧迫され、STOXX欧州600ハイテク株<.SX8P>は2%安となった。

一方、ヌメリカブルは14.8%急上昇した。

ウクライナ情勢への懸念もくすぶる。ウクライナ東部ドネツクで州庁舎を占拠していた親ロシア派のデモ隊が「ドネツク人民共和国」の樹立を宣言したとのニュースが伝わる中、ロシアへのエクスポージャーが大きいライファイゼン・バンク・インターナショナル<RBIV.VI>は4.1%下落した。

ユーロSTOXX50ボラティリティ指数<.V2TX>は10.5%急上昇し、リスク回避の動きが高まっていることを示唆した。