また、この日は独フランクフルター・アルゲマイネ紙が、ECBが量的緩和(QE)の一環として1兆ユーロの証券買い入れ案を策定したと報道。ECBは1年間に1兆ユーロの資産買い入れを実施することで、インフレ率を0.2─0.8%ポイント押し上げられると試算していると報じた。

これを受け、スペインとイタリアの株価が上げ幅を拡大した。

世界2大セメントメーカーの仏ラファルジュ<LAFP.PA>とスイスのホルシム<HOLN.VX>が合併に向けた協議の最終段階にあることを明らかにしたことで、両社の株価は上昇。ラファルジュは8.9%高、ホルシムは6.9%高で引けた。

<ユーロ圏債券> ギリシャ国債が上昇。ムーディーズが同日発表する格付け見直しでギリシャの格付けを引き上げれば、同国が月内に目指している国債市場への復帰が円滑に進むとの見方が高まっている。

RBSなど複数の銀行は、ムーディーズがギリシャの格付けを最大2段階引き上げると予想する。依然としてジャンク(投機的)等級にとどまるものの、ムーディーズによる格上げは債務再編以来初めてとなるギリシャの国債発行への追い風になるとみられている。

トムソン・ロイター傘下のIFRによると、ギリシャは5年債発行で20億ユーロ(27億5000万ドル)を調達する計画。今月中に実施される見通しだが、一部の市場参加者は、早ければ来週にも実施されると見込んでいる。

ギリシャ10年債利回りは小幅低下し、6.15%となった。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が前日、「低インフレが過度に長期化するリスクに効果的に対処するため、理事会は責務の範囲内で非標準的措置も活用する決意で一致している」とし、量的緩和(QE)を含む追加緩和の選択肢があることを強調したことを受け、他のユーロ圏周辺国債利回りも軒並み低下した。

独紙フランクフルター・アルゲマイネはこの日、中銀筋の話として、ECBがQEの一環として、1兆ユーロ(1兆3700億ドル)の証券買い入れ案を策定したと報じた。

イタリア10年債利回りは3.186%と、過去最低をつけた。スペイン10年債利回りも7ベーシスポイント(bp)低下の3.19%と、8年半ぶり低水準を更新した。

ポルトガル10年債利回りも8bp低下の3.90%と、4年ぶり低水準をつけた。

独連邦10年債利回りは5bp低下し、1.56%。