<為替> ドルが対円で上昇、対ユーロでは下落した。4日に米雇用統計の発表を控え、この日発表された経済指標への反応は限定的だった。
米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業景気指数が上昇したのを受け、ドル/円は一時103.71円と、3月7日以来(訂正)の高値を付けた。
ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は前月比で低下した。しかし市場関係者によると、注目は米国のデータ(雇用統計)に集まっており、きょう発表された統計にはさほど関心が払われなかった。
日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)が景気の先行きに疑問を生じさせる内容だったため、円は早い時間帯から下落していた。短観を受け、日銀による追加金融緩和の観測は続きそうだ。
<債券> 期間が長めの国債利回りが上昇した。朝方発表された製造業関連指標が底堅い内容となったことを受けた動き。
中期債利回りは横ばいで推移。前日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が引き続き材料視されている。
ISM製造業景気指数は53.7と、市場予想を若干下回ったものの、内訳の生産が回復し、2カ月連続で上昇した。
<株式> 続伸し、S&P500は過去最高値で引けた。成長加速を示唆する底堅い製造業指標が追い風となった。
値上がりは幅広い業種に及び、特に経済の成長ペースと結びつきが強い市場分野が相場の上昇を主導した。S&Pの一般消費財セクター指数<.SPLRCD>は1.4%上昇し、ハイテク株指数<.SPLRCT>も1.3%上げた。
ISM指数は経済の状況が改善していることを示す最新の指標で、年初以降の軟調な統計結果は天候要因によるものであり、経済ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が原因ではないとする見方に信憑性を与えるものとなった。
天候の影響で2カ月間需要の伸びが妨げられていたフォード・モーター<F.N>は3月の新車販売が市場予想を上回り、4.6%高。米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>も新車販売は予想を上回ったが0.2%安だった。
グーグル<GOOG.O>は1.8%高、マイクロソフト<MSFT.O>は1%高となり、1.7%上昇したナスダック100指数の中で上げ幅が上位となった。ネットワーク機器大手のシスコシステムズ<CSCO.O>は商いを伴って急伸。3.9%高となり、ダウ平均構成銘柄の中で最大の上昇率となった。
<金先物> 5日続落。リスク警戒姿勢が緩む中で一段と売られ、終値で1カ月半ぶりの安値を更新した。
<米原油先物> 続落。中国の景気鈍化懸念や米原油在庫の増加観測が背景。米石油協会(API)と米エネルギー情報局(EIA)が発表する週報で原油在庫が増加するとの観測も圧迫材料だった。