1日の米国株式市場は続伸し、S&P500は過去最高値で引けた。成長加速を示唆する底堅い製造業指標が追い風となった。

値上がりは幅広い業種に及び、特に経済の成長ペースと結びつきが強い市場分野が相場の上昇を主導した。S&Pの一般消費財セクター指数<.SPLRCD>は1.4%上昇し、ハイテク株指数<.SPLRCT>も1.3%上げた。

米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業景気指数は53.7となり、2カ月連続で上昇した。ただ、市場予想の54.0は下回った。

ISM指数は経済の状況が改善していることを示す最新の指標で、年初以降の軟調な統計結果は天候要因によるものであり、経済ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が原因ではないとする見方に信憑性を与えるものとなった。

ノーザン・トラスト・グローバル・インベストメンツ(シカゴ)の首席投資ストラテジスト、ジム・マクドナルド氏は「経済指標に春の気配が感じられるようになった。すなわち第2・四半期に入り、経済は一定の成長を保っているという兆しが出ている。このことが今後も相場を下支えするだろう。一般消費財と住宅建築関連株の上昇が励みになった。こうした業種は実際に景気の強さを示すからだ。一方でバイオテクノロジー株の上昇はリスク志向の改善を際立たせた」と話した。

ダウ工業株30種<.DJI>は74.95ドル(0.46%)高の1万6532.61ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は69.05ポイント(1.64%)高の4268.04。

S&P総合500種<.SPX>は13.18ポイント(0.70%)高の1885.52。

天候の影響で2カ月間需要の伸びが妨げられていたフォード・モーター<F.N>は3月の新車販売が市場予想を上回り、4.6%高。ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>も新車販売は予想を上回ったが0.2%安だった。GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は議会下院の証言で、一連のリコール(回収・無償修理)に関連した事故による死傷者の遺族らへの対応に備えてケネス・ファインバーグ氏を顧問に起用したことを明らかにした。

グーグル<GOOG.O>は1.8%高、マイクロソフト<MSFT.O>は1%高となり、1.7%上昇したナスダック100指数の中で上げ幅が上位となった。ネットワーク機器大手のシスコシステムズ<CSCO.O>は商いを伴って急伸。3.9%高となり、ダウ平均構成銘柄の中で最大の上昇率となった。

BATSグローバル・マーケッツのデータによると、ニューヨーク証券取引所に上場する銘柄の約69%、ナスダックは72%がプラス圏で取引を終えた。ニューヨーク証取、ナスダックなど3市場の出来高は約64億1000万株。

マークイットがこの日発表した3月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は速報値から変わらずの55.5で、前月からは低下したが製造業活動の拡大と雇用のペースに関しては引き続き力強さを示す内容となった。

2月の建設支出は民間の住宅建築が落ち込んだことから0.1%の小幅な伸びにとどまった。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値         16532.61(+ 74.95)

前営業日終値    16457.66(+134.60)

ナスダック総合<.IXIC>

終値         4268.04(+69.05)

前営業日終値    4198.99(+43.23)

S&P総合500種<.SPX>

終値         1885.52(+13.18)

前営業日終値    1872.34(+14.72)