1日の欧州株式市場は上昇。企業のM&A(合併・買収)動向や底堅い米仏製造業指標が支援した。

仏CAC40種平均指数<.FCHI>は一時、5年半ぶり高値をつけた。マークイットが発表したフランスの3月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が速報値から上方修正されたことを好感した。

同月のユーロ圏全体の製造業PMI改定値は53.0と、伸びは前月から鈍化した。ただ、調査の対象となったすべての国で内訳の生産が上向いたことから、企業利益回復への期待が高まった。

同日発表された3月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は53.7と、前月から小幅上昇した。内訳の生産が改善し、指数は2カ月連続で上昇した。

スペインの主要株価指数IBEX<.IBEX>も1.2%高と堅調。景気回復ペースに弾みがついていることを背景に、同国が2014年の国内総生産(GDP)伸び率予測を1─1.5%に引き上げる可能性があると、政府筋が同日明らかにした。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は7.41ポイント(0.56%)高の1340.96。6営業日続伸した。第1・四半期としては1.3%上昇、3月中旬以降は約5%上昇した。

DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は24.74ポイント(0.78%)高の3186.34。一時、2008年9月以来の高値をつける場面もあった。

M&A動向が市場心理を押し上げた。仏発電設備・鉄道車両製造大手アルストム<ALSO.PA>は8.1%高。熱交換関連部門を欧州プライベートエクイティ(PE)グループに売却する方針を明らかにした。

フィンランドのエンジニアリング、メッツォ<MEO1V.HE>は19%急上昇。同業のウィアー・グループ<WEIR.L>が総額50億ドルの合併を提案した。

3日の欧州中央銀行(ECB)理事会が注目されている。ECBが追加緩和策を打ち出すとの期待が、ここ数日、相場への追い風となっている。

バルカントのストラテジスト、エリック・ガリーグ氏は、ECB理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁が先週、中銀預金金利のマイナス圏への引き下げは選択肢のひとつで、量的緩和策を実施することは「論外」ではないとの発言したことに触れ、「欧州で量的緩和実施に向けた扉が開かれた。これは株式市場にとり朗報だ」と述べた。