今週の米株式市場では、3月の米雇用統計とウクライナ情勢の行方に注目が集まる見通し。ロイターの調査によると、4日発表の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが20万と予想されている。

雇用統計が強い数字となれば、最近の米経済の弱さは寒波の影響による一時的なものと投資家は確信することになる。

1月の非農業部門の雇用者数は12万9000人増加。2月は17万5000人増となった。

ING・US・インベストメント・マネジメント(ニューヨーク)の首席マーケットストラテジスト、ダウ・コート氏は「雇用統計は、明るいサプライズがあるかもしれない」と述べた。

ウクライナ情勢も引き続き注目が集まる。米国のケリー国務長官は30日、ロシアのラブロフ外相とパリで4時間にわたり会談し、ウクライナ問題の緊張拡大回避に向けて協議した。

その他、経済指標では、3月ISM製造業景気指数が1日、3月ISM非製造業景気指数が3日に発表される。また、3月の米自動車販売、3月全米雇用報告(ADP)、2月貿易収支の発表も予定されている。

ナスダックのバイオテクノロジー指数は24日からの週1週間で7%下落。月初からは約13%下落した。

アズベリー・リサーチのリサーチ部門ディレクター、ジョン・コザール氏は「テクノロジーからの資金シフトが明らかにみられる。一方、エネルギーとユーティリティーセクターには資金が流入している」との見方を示した。

先週1週間でS&Pのユーティリティーセクター指数<.SPLRCU>は1.2%上昇。S&Pエネルギー指数<.SPNY>は2.5%上昇した。

トムソン・ロイターのデータによると、米S&P総合500種指数採用企業の第1・四半期の業績見通しは、6.9対1の割合でマイナス見通しがプラス見通しを上回っている。マイナス見通しの比率は第4・四半期よりも低いが、企業は利益見通しを引き下げている。

第1・四半期の利益の伸びは2.1%と予想されており、1月1日時点予想(7.6%)から大きく低下した。