<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、米雇用関連統計の改善を受けてドルが円とユーロに対して小幅高となった。米労働省が発表した週間失業保険申請件数は、季節調整後で前週比1万件減の31万1000件。昨年11月以来約4カ月ぶりの低水準で、エコノミスト予想よりも良い数字となった。これを受け、連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れの縮小を想定通りのペースで続け、予想よりも早く利上げに踏み切る可能性もあるとの見方が強まった。
<債券> 米金融・債券市場では、米国債価格が上昇。この日行われた7年債入札は底堅い結果となり、相場の下支えとなった。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が前週、来春にも利上げを開始する可能性を示唆して以降、利回りが上昇したことで、債券に対する投資妙味が増しているとみられる。朝方発表された経済指標を受け、国債利回りは一時的に上昇する場面もみられた。週間の新規失業保険申請件数は約4カ月ぶりの水準に改善したほか、昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は当初の2.4%増から2.6%増に上方修正された。
<株式> 米国株式市場は、銀行株とハイテク株に売りが出たことで続落して終了した。米連邦準備理事会(FRB)が前日、米金融大手シティグループ<C.N>を含む5行の資本計画を却下したことを受け銀行株が売られ、シティグループは5.4%安で取引を終えた。FRBはまた、ザイオンズ・バンコープ<ZION.O>の資本計画も承認しなかった。ザイオンズ株は1.2%下げた。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米景気拡大期待やドル高を背景に売り込まれ、続落した。4月物が終値ベースで1300ドルを割り込んだのは、2月半ば以来1カ月半ぶり。この日朝方に発表された堅調な内容の経済指標を受けて、米景気先行きに楽観的な見方が広がり、金は売り圧力にさらされた。電子取引では一時1292.00ドルまで下落した。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国内の需給引き締まり期待や堅調な米経済指標を受けて続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は中心限月の終値ベースでは、約3週間ぶりの高値となった。相場は終日買い地合いで推移した。米エネルギー情報局(EIA)が前日発表した最新週の週報によると、原油在庫は米国全体では予想を上回る積み増しとなったものの、WTI原油の受け渡し拠点クッシングでは8週連続で減少。さらに全米のガソリン在庫が予想を大幅に上回る取り崩しとなったことも注目された。この日発表された米経済指標が比較的良好な内容だったことも上昇を支えた。