27日の米国株式市場は、銀行株とハイテク株に売りが出たことで続落して引けた。米連邦準備理事会(FRB)が前日、米金融大手シティグループ<C.N>を含む5行の資本計画を却下したことを受けて銀行株が売られ、シティグループは5.4%安で取引を終えた。

ダウ工業株30種<.DJI>は4.76ドル(0.03%)安の1万6264.23ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は22.35ポイント(0.54%)安の4151.23。

S&P総合500種<.SPX>は3.52ポイント(0.19%)安の1849.04。

シェーファーズ・インベストメント・リサーチのシニア・テクニカル・ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「下落したのは、またもやハイテク株と小型株だった。下げは今週序盤ほどきつくはなかったが、これらのセクターで弱地合いが継続していることは、資金が株式市場から流出し続ける中で投資家が一段と慎重になりつつあることを示している」と述べた。

S&P金融株指数<.SPSY>は0.6%安と、業種別指数の中で最も下げた。

FRBはザイオンズ・バンコープ<ZION.O>の資本計画も承認しなかった。ザイオンズ株は1.2%下げた。

大型ハイテク株も安い。グーグル<GOOG.O>は1.6%、マイクロソフト<MSFT.O>は1.1%、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>は1.4%それぞれ下落した。

米国と欧州連合(EU)は26日、ロシアによるクリミア編入を受け、ロシアに対する一段と厳しい経済制裁に向けて準備することで合意した。ロシアのエネルギー分野に対して制裁が加えられた場合の影響への懸念から原油相場が押し上げられ、S&Pエネルギー株指数<.SPNY>は上昇。エクソンモービル<XOM.N>は1.6%高となった。

この日発表された米経済指標では、昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は改定値から小幅に上方修正され、新規失業保険申請件数は約4カ月ぶりの低水準に減少。一方で2月の中古住宅販売仮契約指数は2011年10月以来の低水準となった。

BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の出来高は合計で約65億株と、今月これまでの平均である69億株を若干下回った。

騰落比率は、ニューヨーク証券取引所では約8対7と上昇銘柄が過半数を占めたが、ナスダックでは約5対8と下落銘柄の方が多かった。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値         16264.23(‐ 4.76)

前営業日終値    16268.99(‐98.89)

ナスダック総合<.IXIC>

終値         4151.23(‐22.35)

前営業日終値    4173.58(‐60.69)

S&P総合500種<.SPX>

終値         1849.04(‐ 3.52)

前営業日終値    1852.56(‐13.06)