<株式> ロンドン株式市場は小幅続伸。ロイズ・バンキング・グループ<LLOY.L>が4.9%急落したことに圧迫され、相場は一時の上げを縮小し、小幅な上昇にとどまった。

英政府は、保有するロイズ株式の第2次売却を実施。売却規模は42億ポンド(70億ドル)となった。売出価格は前日終値から4.6%ディスカウントされた水準だった。

FT100種総合株価指数<.FTSE>は0.41ポイント(0.01%)高の6605.30。一時0.6%上昇する場面もあった。

トレーダーは、6637付近にあった50日移動平均を下抜けたことも、一時の上げを維持できなかった要因と指摘した。

一方、前週売られていた保険株に買いが入った。

スタンダード・ライフ<SL.L>は7%急上昇。資産運用会社イグニス・アセット・マネジメントの買収が材料視された。

欧州株式市場は続伸して取引を終えた。ウクライナをめぐる緊張が和らぎ、米景気指標が好調だったことを好感した。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は8.55ポイント(0.65%)高の1319.38。今月半ば以降、3.3%上昇した。

DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は33.53ポイント(1.08%)高の3130.17。

米国と同盟国が追加経済制裁の発動を見送ることで合意し、西側諸国とロシア間の緊張が和らいだ。

ロシアへのエクスポージャーが大きい銘柄の上げが目立った。フィンランドのタイヤメーカー、ノキアン・レンカート<NRE1V.HE>が2.8%、オーストリアの銀行、ライファイゼン・バンク・インターナショナル<RBIV.VI>は1.3%それぞれ上昇した。

米国では、2月の耐久財受注が3カ月ぶりにプラスとなったほか、3月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値も上昇した。

米経済へのエクスポージャーが大きい銘柄が大きく値上がりした。「レイバン」ブランドのサングラス、メガネを販売する、イタリアのルックスオティカ<LUX.MI>が2.9%高、広告大手の仏ピュブリシス・グループ<PUBP.PA>も2.4%上昇した。

スペイン株が他市場をアウトパフォームした。サンタンデール銀行<SAN.MC>や、銀行のBBVA<BBVA.MC>はいずれも2.1%上昇した。スペイン銀行(中央銀行)が、今年の国内総生産(GDP)伸び率は1.2%に回復するとの見通しを示したことが追い風となった。

フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントの欧州株式責任者、パラス・アナンド氏は、債券市場から投資資金が流出、欧州株への需要が増大して、株価がさらに大きく上昇する可能性があるとの見方を示した。

<ユーロ圏債券> 欧州中央銀行(ECB)当局者のハト派発言を受け、独連邦債利回りが低下。2年物の独連邦債と米国債の利回り格差は31ベーシスポイント(bp)と2012年12月中旬以来、約1年3カ月ぶりの水準に拡大した。

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁は、ユーロ高を抑えるための措置としてマイナス金利は一つの選択肢となるほか、銀行が保有するローンなどの資産買い入れも問題外とはいえないとの見方を示した。

クレディ・アグリコルの金利ストラテジスト、オルランド・グリーン氏は、2年物の米独国債利回り格差が今後50bpと、金融危機前となる2007年半ば以来の水準まで拡大する可能性があると指摘した。

ただ、市場では、ECBによる資産買い入れは依然として最終的な手段にすぎず、ハードルは高いとの声も根強い。

10年債の独連邦債利回りは1bp低下し1.57%。

周辺国債では、スペインやイタリアの10年国債利回りが4─5bp低下した。