<株式> 米国株式市場は続伸。S&P500は最高値に迫った。ロシアのプーチン大統領の発言を受け、ウクライナをめぐる緊張がさらに激化するのではないかとの懸念が和らいだという。プーチン大統領はウクライナの一層の分断は望まず、同国の他の地域を占領する考えはないと述べた。マイクロソフト<MSFT.O>は4%高。アップル<AAPL.O>のタブレット端末「iPad(アイパッド)」向けの統合ソフトウエア「オフィス」を発表する可能性があるとのロイター報道を受けて買われ、「ドットコムブーム」のさなかにあった2000年7月につけた40ドルに迫った。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ウクライナ情勢に対する警戒感の後退や米量的緩和の縮小継続観測に圧迫され、続落した。金塊相場は、時間外取引中から軟調。ロシアがクリミアの編入を決めたものの、プーチン大統領がウクライナへの侵攻拡大に消極的な発言を行ったことから、立ち会い開始後間もなく電子取引で一時1351.10ドルと、約1週間ぶりの安値を付けた。この日から始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的緩和の規模が一段と縮小されるとの思惑が強まっていることも、金塊相場の圧迫材料だった。ただ、依然としてウクライナ情勢に先行き不透明感が残る中、金塊相場の下げ幅は限定的。朝方にこの日の安値を付けた後は、じりじりと買い戻された。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナ不安の緩和をはやした米株高につれて反発した。ロシアのプーチン大統領はこの日、ウクライナ南部クリミア半島のロシア編入を決定。ただ、クリミア以外のウクライナ領土に侵攻しない考えを示唆したことで投資家のリスク回避姿勢が緩み、米株価が上昇。原油先物を押し上げた。この日早朝に発表された2月の米住宅着工許可件数が4カ月ぶりの高水準となったことも、景気回復に伴う需要拡大期待を後押しした。また米メディアが、WTI原油の受け渡し拠点、オクラホマ州クッシングとメキシコ湾岸の製油所地帯を結ぶシーウェイパイプラインの輸送能力が早ければ5月にも倍以上に増強される、と報道。これを受けてクッシングの在庫減少への期待が高まり、原油相場は1週間ぶりの高値まで上伸した。