週明け17日の東南アジア株式市場の株価は、バンコク市場が控えめながらも上昇した。携帯電話サービス大手アドバンスト・インフォ・サービス(AIS)<ADVANC.BK>など高利回り株に銘柄を選別した買いが入った。タイの非常事態宣言が解除される可能性が予想される中、投資家が慎重ながらもリスクポジションを増やした。

バンコク市場のSET指数<.SETI>は0.36%高の1377.10で終了。AISは1.9%上昇し、この日の高値で引けた。タイ空港会社(AOT)<AOT.BK>は0.8%高。利食い売りで下落する場面もあったが、切り返した。

トレーダーらによると、18日の閣議で非常事態宣言の解除が見込まれているほか、19日には2月のタイ総選挙に関する審理が憲法裁判所で行われる予定であるなど、今週は政治危機の緩和につながる可能性のある展開が予想される。

シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)<.FTSTI>は0.6%高の3092.14、クアラルンプール市場の総合株価指数<.KLSE>は0.56%高の1815.16で終了。どちらも他のアジア株全般に足並みをそろえ、慎重な値上がりだった。ウクライナ情勢が依然地合いを圧迫している。

時価総額でシンガポール4位の銀行最大手DBSグループ・ホールディングス<DBSM.SI>は7営業日ぶりに上昇し、1.1%高。同社が仏ソシエテ・ジェネラルのアジアのプライベートバンク事業を買収するとの報を受けた。

マニラ市場の主要株価指数PSEi<.PSI>は序盤の下落から値を戻し、0.14%高の6399.99で引けた。海外在住のフィリピン人による本国送金統計(1月分)が上向きな内容だったことや、世界銀行が今年の同国経済について前向きな見方を示したことが株価を支援した。

ホーチミン市場のVN指数<.VNI>は0.59%高の600.36。国営メディアが、ベトナム中央銀行が今週利下げすると伝えたことを受けた。一方ジャカルタ市場の総合株価指数<.JKSE>は0.05%安の4876.19。国営ラクヤット・インドネシア銀行(BRI)<BBRI.JK>など銀行株に利食い売りが出る中、総合株価指数は序盤の上昇分を消した。