自宅を撮影する2人組の探偵
9月25日、谷口氏は再び実家に電話をかける。このときの
父親との通話も、録音記録として残っている。谷口氏はこう言っている。
〈不動産執行っていって、僕らが物をおさえようとする、と。
(吉松とテイラー氏は)一緒に住んでらっしゃるので。
ね? そこで、弁護士と鍵屋さん連れて、そこで鍵がかかってたら、
強引に開けて入っちゃうんですよ〉
彼は、差し押さえのため、吉松の自宅に踏み
込むことになると迫っているのだ。
吉松はこう反論する。
「谷口さんはあたかも私とマットが一緒に住んでいる
ように言っていますが、私の自宅はオフィスも兼ねており、
3階建ての一軒家の地下1階と2階部分がオフィスやスタジオ、
1階部分が住居スペースになっています。
海外とも仕事のやりとりをしているので、
そこへはスタッフが24時間出入りしている。
それに『誰かに見張られているのではないか』という思いから、
1人になるのが怖く、いつも誰かにいてもらっている。
マットはその1人にすぎません」
監視されているのではないかという吉松の不安は、
杞憂(きゆう)に終わらなかった。
「9月6日、自宅兼オフィスから外出しようとしたとき、
怪しい中年男性が隣に住むおばあさんに話し
かけているのを目撃しました。
その後、おばあさんに話を聞くと『お隣にはどういう人が
住んでいるのか』と細かく尋ねられたそうです。