昨年12月12日に、北朝鮮のナンバー2だった張成沢・
国防委員会副委員長が突然、処刑されたニュースは、
世界に衝撃を与えた。あれから2ヵ月近くを経て、その
全容が漏れ伝わってきた。

韓国政府の情報機関である国家情報院関係者が語る。

「張成沢は11月中旬に、国家安全保衛部の特殊部隊に
よって拘禁され、すぐに『シェパード犬拷問』を受けました。
これは、1948年に北朝鮮が建国した際、旧ソ連の
軍事顧問団から教わった拷問です。
わざとエサを与えずに飢えさせたシェパード犬の
檻の中に、張成沢を放り込んだのです。

シェパード犬が何度も噛み付いてくる中、張成沢は
頸部と胸部を押さえ、悲鳴をあげながら必死に耐えたそうです。
だがいよいよ血まみれになり、瀕死の状態で檻の
中から出されました。その後は、逮捕監禁した
国家安全保衛部の意向に沿った供述をしたそうです」

結局、国家安全保衛部の特別軍事法廷で死刑判決を受けた
張成沢は、機関銃の銃弾を100発近く撃ち込まれて蜂の巣となり、
さらに火炎放射器で燃やされてしまった。残ったのは灰燼だけだった。

ここまで残酷な処刑を断行したのは、金正恩第一書記の命令が、
「神聖な国土に汚物を残してはならない」というものだったからだ。
だが実は金正恩は、もう一つ命令を出していた。
それは、「汚物の血脈も神聖な国土に残してはならない」というものだ。
「汚物の血脈」とは、張成沢の一族(上図参照)のことである。

前出の国家情報院関係者が続ける。