北朝鮮で密かに流行っているジョークがある。金正恩は処刑の
やりすぎで、国民が絶滅してしまった。
最後は正恩が痩せこけて餓死するというものだ。
古今東西、これほど残忍非道な独裁者がいただろうか?

「張成沢処刑のニュースなど、まったく驚きませんでした。
私の母と兄も、私が見ている前で公開処刑されたのですから。

処刑など、北朝鮮においては、ごく日常の出来事です。
金正恩は自分の意向に少しでも背く人間は、すぐに処刑する。
それが独裁者・金正恩のやり方なのです」

こう証言するのは、北朝鮮から'05年に脱出した申東赫氏だ。

「強制収容所から脱出に成功した唯一の脱北者」と
言われる申氏は、'82年に、北朝鮮の平安南道价川市
にある国家安全保衛部傘下の
第14号政治犯収容所(強制収容所)で生まれた。
収容所内の労働力を増やすため、収監された
若い男女に無理やり性交させて生ませた子供である。

だが'96年に、母と兄が政治犯収容所からの脱走を試み、
失敗して公開処刑されたという。
当時、13歳だった申氏も激しい拷問を受け、両肘が
逆に曲がるなどの後遺症を負った。そして、7ヵ月間も地下室送りとなった。

申氏が続ける。
「政治犯収容所で生まれ育った私が受けた『教育』は、
『逃げてはいけない』『看守に従わねばならない』という二言だけでした。

政治犯収容所の生活は凄惨を極め、病死者、餓死者など
が続出。公開処刑も何度も目撃しました。
このような収容所は、前世紀前半のナチスドイツや、
前世紀後半のカンボジアなどにありましたが、絶滅しました。
ところが世界で唯一、北朝鮮だけは、金正恩時代になって、
さらに急増しているのです」

最近の脱北者の証言などによれば、北朝鮮の
強制収容所に収容されている政治犯は、
金正日時代の30万人から、現在は50万人以上に
拡大したと言われている。

また金正恩時代に入って、核廃棄物の処理といった
危険な労働にも従事させられるようになったという。
そんな中、以前は主に一般への見せしめのために行っていた
公開処刑が、最近は幹部たちに対しても広がっている。