個人投資家好みの銘柄は流動性が枯渇し始めた

 日経平均が前週末比183.04円高の1万4269.84円で取引を終えた11日(月)、私の知り合いの個人投資家達の愚痴は本当に凄かったです。

 「久々にこれだけやられた」「今日の損金を計算するのも嫌になる」「フルボッコだよ」「イヤー、久々にストップ安で投げたよ」「どこにこんな売り物があったんだよwwwってくらい、売り物が湧いてきたよ」「別に悪い決算でもないのに、出た瞬間に20ティック下がったよ、なんなんだよ・・・」などなどです。

 とりわけ興味深かったのは、「ある株をたった10万株、買い代金1500万円くらい2週間前に買ったんだけど、今日は板が薄過ぎて、投げるになげれなかったよ。もちろん、ストップ安付近まで叩き売れば売り切れるんだろうけど、さすがにそれはできなかった。結局、今日は3万株しか売れなかった。買うときは一瞬で買えたんだけどなぁ・・・」という友人の嘆きです。

 そうなんです。主力株はともかく、個人投資家好みの銘柄に関しては、極端に流動性が枯渇しつつあるんです。というか、買い板が極端に薄いのです。買い板の薄い主因は、当然、多くの個人投資家が上がらないと思っているから、敢えて、買い指値を入れる必要はないと判断してのことでしょう。

株価の下落時には「信用売り残」をチェックする

 まず、個人のみならず、日本株の相場全体としては、アベノミクスの第3の矢の成長戦略への期待感の後退が痛いですね。足元では、法人実効税率の引き下げや岩盤規制の緩和が骨抜きになるのではないかとの懸念が強まっています。

 次に、株式の需給面では5月23日の信用期日到来に伴う信用需給悪に加え、証券優遇税制の年内終了に伴う個人の節税売り、さらには、5日からの空売り規制緩和が影響しているようです。