前場の東京株式市場で日経平均は小反落。前日に300円を超す大幅上昇となった反動で利益確定売りが先行した。円安に一服感が出たことも重しとなった。

売り一巡後は手がかり材料に乏しく、方向感のない値動きとなったが、下値には海外投資家とみられる買いが入り前引けにかけて下げ渋った。海運、建設、保険などが軟調。半面、銀行、非鉄、不動産などはしっかり。TOPIXはプラス圏で前場を終えた。

米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和策の縮小開始時期をめぐる観測が交錯する中、米連邦準備理事会(FRB)次期議長に指名されたイエレン氏による上院銀行委員会での指名承認公聴会を14日に控え、市場には様子見ムードが漂っている。

ただ、今後の円安期待や政策期待は維持しており下値も限定的だった。市場では「先物への仕掛け的な売りで裁定解消売りを誘う動きが出たものの、海外勢のインデックス買いが入り、TOPIXは底堅さを維持している。欧州系の中長期資金が下値での買い意欲を見せているようだ」(岡三オンライン証券チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>が続伸。12日に2014年3月期の連結当期利益予想を前年比5.5%減の7500億円に上方修正したことを好感した。半面、鹿島<1812.T>、大成建設<1801.T>は売られた。

東証1部の騰落数は、値上がり813銘柄に対し、値下がりが764銘柄、変わらずが180銘柄だった。