バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチが12日公表した月次調査によると、債券をアンダーウエートとする投資家の割合がネットで69%と、過去最高の2006年4月の水準に並んだ。株式に対しても、世界経済成長に対する慎重な見方からやや手控える傾向が見られた。

株式は、オーバーウエートの割合がネットで52%と前月の49%から増える一方、割高との回答が2002年1月以来の高水準になった。投資家はドルが2008年6月以来の安値相場にあると認識しており、新興国株式への投資を手控える傾向にある。

バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチの欧州投資ストラテジスト、マニシュ・カブラ氏は「投資家は楽観的だが非常に積極的とは言えない。株式への投資意欲はあるものの幾分手控えている」と指摘。投資家はバリュエーションや成長の見通しを信じきれていないとの見方を示した。

債券と株式による運用を避けキャッシュで保有する傾向が見られ、キャッシュバランスは4.6%と、前月の4.4%から上昇した。

中国経済のハードランディングと商品相場の暴落が最大のテールリスクとして再浮上し、同国への投資はオーバーウエートの割合がネットで11%と前月の56%から大きく低下した。

調査は174人の投資家(運用資産総額4440億ドル)を対象に11月1―7日に実施された。